8/17 知事選折り返し
埼玉がダメ、情けないと繰り返し書いてきて、ダメ押しのようになるのが知事選の構図。
現職の対抗馬が、共産党元参議院議員と、泡沫候補しかいない。首長選挙では、自民も民主も積極的に対立を描いてやるようなムードなのに、埼玉だけは消去法的に相乗りしている。現職に入れるにしても、元共産党に入れるにしても、でも、しかの選択でしかない。
この間、平和運動とか、女性運動、教育問題、左よりの取り組みをしてきた人たちの無力を感じる。あれだけ現職知事がかつてなくひどいと言い続けてきたのに、候補者1つ立てられない。外山恒一でさえ立候補ぐらいはしたのに。
1つは前回の坂東真理子さんの擁立で惨敗させてしまったことが良くない影響を与えているのだろう。しかしあれは請け負った自称「選挙のプロ」の人たちのセンスが悪すぎたことによると思う。
それと埼玉の在野の運動(共産党を除く)が選挙を軽視してきたか、そのツケでもあると思う(それでも最近は、さいたま市議選とか、それなりにチャレンジするようになったと思うが、まだまだ今までさぼってきた遅れは挽回できていないし、民主の少し左よりの若手議員たちにパイを取られている)。
札幌にいたときには、自分たちの考えに近い知事や市長を当選させるために市民運動をやっている人たちまでが、タクシーの運転者やいきつけの商店に買い物のついでに候補者紹介のチラシを持っていったりしていた。埼玉の場合、同じ左よりの候補者に対しても、「賛同署名」の名義を貸してくれたことだけで仲間と安心しちゃうか、細部の考えの違いで全否定の議論をされたりする風潮もある。親戚や友人に頼んで票をもぎとってくるという風土はまずない。
関西もそんな風土だったようだが、先週土日、関西の左派系市民派議員たちの話を聞いて、政治参加に前向きな風土になったと思った。
●選挙折り返し点、現職知事に対する評価はほんとうに分かれる。
埼玉を収益源としながらも冷遇する、りそな銀行グループやJR東日本に対してガツンと言ったのは評価したい。
また、環境政策も大枠ではまじめにやっていると思う。
本人の性格が朗らかなこともよい。ただし子分はガラが悪いのが多い。
移動に公共交通を積極的に使うことも評価すべきだ。もっとも変なイデオロギーはなく、その方が時間に正確に仕事ができるから、という理由だと、民主党関係者に聞いたことがある。
育児と仕事の両立で企業の協力を働きかけていることは評価したい。ただし念頭にあるのは女性労働者のことだけなんでしょうが。
一方で、右派イデオロギーに触れるような政策にやたら関わりたがるところが良くない。歴代の埼玉県知事は、右から出れば左よりの立場を取り、左から出れば右よりの立場を取ってきたが、現職知事は、右から出て右に固執しているので、バランスが悪い。
教育委員会で高橋史朗を入れ、また彼の進める奇異な教育理論を使いたがることはあまりほめられない。
平和記念館の運営に対する干渉も、あまりほめられた話ではない。
自衛隊に対する失言問題もあった。
福祉政策は弱いと思う。しかし細かく干渉しないでいてくれることは評価したい。
埼玉高速鉄道や八ツ場ダムなど、県財政の未来に影響を与えるプロジェクトに英断を下せなかったことは大きなマイナスだと思う。県内市町村の財政は他県に比べて好調なのに、県財政は極めて悪い。そういう状況で英断を下すことは試されていたと思うのだが。
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