8/12 障害者向けCS放送で、アダルト番組を放映したらいけないか
障害者向けCS放送に手話通訳のための補助金を政府が出しているが、その中のアダルト番組に補助金で行われる手話がついていたと、朝日新聞が騒いでいる。もっと公正な書き方ができないものだろうか。
この朝日の石川智也という記者は、バリアフリーも何も知らない差別主義者か、表現の自由の制限を記者でありながら認める思考を持っている人ではないかと思う。
バリアフリーのための補助金が、表現内容に踏み込んでいいのだろうか。本質的なことを何一つ検証せず、障害者の援助は、障害者の欲求を肯定することの支援をしてはならないと言っているからだ。もし、アダルト番組の手話通訳がいけないというなら、アダルト番組そのものがいけないという話にならないとおかしくなる。
つまり障害のない人がアダルト番組を見る権利も見ない権利も保障されているのに、障害のある人にはアダルト番組を見ない権利しか認められない(もっとも自宅に手話通訳者やボランティアを呼んで見れば見れないこともないがそういうのはバリアフリーと言わないだろう)。
もう1つアダルト放送が問題だというなら、有害情報は一切社会に垂れ流してはならないというフィルタリング必要論にならざるを得ない。表現の自由を誰かがチェックして制限してよいということになる。新聞記者の自殺行為である。
障害者だけがフィルタリングされた情報と接しなければならないというのは、明らかに障害者の多様性を認めるというバリアフリーの考え方に真っ向から反対するものになる。またそもそも情報をフィルタリングして人に流すということは、おかしなことであり、下品なことだと考えるべきだろう。
そういう意味では、アダルト番組だって手話は必要だし、他にも低俗な番組はいくらでもあるのに、どうしてそこだけ問題視されるのか、よく考えたら、これを問題化することにいやらしい意図を感じる。
「セックスボランティア」とか「ユニバーサルセックス」などの本が売れて、障害者にとっての性のバリアフリーについていろいろな人が真剣に考えるようになってきたのに、大手メディアの社会部記者は未だに健常者が障害者を善導した文化の中で生きるべきだという発想から抜けきらない。
このCS番組の制作者が補助金なしでも引き続き手話通訳を続けるということに、ほっとしている。
(14日、少し補強のための訂正をしました)
| 固定リンク
コメント