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2007.07.13

7/13 基地跡地:国家公務員宿舎反対署名が13000筆

基地跡地の国家公務員宿舎建設反対運動の署名が13000筆を超えたようだ。絶対的な割合から言うとまだ市民の1割、有権者の13%という数字だが、世間的に1割の署名を都市部で集めるというのはなかなか難しいことで、相当な数と言ってよい。もう少し超えると、秘密投票である選挙結果に大きな影響を与えるきっかけになってくる数字だ。

それにしても、新聞などで発表されている富岡市長の見解は滅茶苦茶だと思う。パブリックコメントをやっても結果は修正しない、ということなら、パブリックコメントという制度を設けた行政手続きに関する諸法や条例の趣旨、目的、手続きを無視するものだと思う。パブリックコメントは行政の裁量性の強い市民参加の形態ではあるものの、理屈に無理があれば修正したり、提案を止めて反対意見や異なる意見を持つ当事者、主権者たちと協議するというのがやるべきことだろう。
手続きが正しいのだからどんな結論を出しても行政の裁量が正しいんだ、ということを市役所はいい、市長(後援者)は、市民の意見反映の結果だと強弁しているが、民主主義としてこんなにおかしい詭弁はない。
NPO法の成立に象徴されるような93年~98年ぐらいの情報公開、市民参加、地方分権を進めた一連の法改正では、こうした裁量行政による公共事業の暴走をやめようというのが流れであった。いまどき、市役所は市民から全件委任を受けているんだ、言うこと言わせたんだから後は黙っていろ、などということは理屈としては無理があるだろう(公務員試験を受ける人たちは民主主義の大前提を憲法で学び、それと矛盾する行政権が裁量の全件委任を受けているということを行政法で学ぶ。まして今の幹部クラスの人たちの時代は情報公開や裁量権の濫用などほとんど問題にされなかった時代の教育を受けて合格している)。
誰のための市役所なのかということを全く無視したような論理の展開は、基地跡地の利用だけに関して言えば押し切れる可能性があるが、今後の朝霞市の市役所の運営に大きな不信感を残すことは避けられないと思う。

私自身、基地跡地の運動をやっている人たちのように、跡地に公園を作れという考えには全面賛成はできないとこのブログで再三再四言ってきた。しかし、そういう考えでも、少なくとも市役所が国と勝手に約束して、国家公務員宿舎を誘致するなどという話はならないと思う。

基地跡地に公務員宿舎を誘致することついては、アンケート取ってみたらいいと思う。今どき、高層で地域に定着しない人たちが住む国家公務員宿舎に賛成する人などほとんどいないだろう。当の公務員たちでさえ宿舎が福利厚生として優先順位が高いとは思っていないだろう。もし住宅手当がもっと手厚かったら、転勤者へのリスクヘッジのための一時金がきちんと整備されていたら、隣近所みんな同業者というところに集まって住むというのは趣味の世界でしかない。
市役所は計画にあるんだなどと積極面を強弁するのではなく、高層の国家公務員宿舎が迷惑施設なんだという認識を共通化させてから、きちんと市民と対等に対話して、方策を考えるのが筋だと思う。

また市民の側にも問われていることが多いと思う。署名を集めている人たちの話を聞いたら、決まっちゃったんだから仕方ないという人が多いと聞く。そういうことは「追認」となる。
この街は行政が何やっても「追認」して否定した歴史がほとんどない。市役所にぶうぶう文句言っても、最後には自分のやっている事業に後援だの補助だの引き出したら、丸く収まってしまっていた。
そのことが、市役所の近代化を遅らせ(その水準は、都内の自治体と比較することはもとより、今は生き残りに必死で市民との共同事業の展開や先進事例の吸収に熱心な九州や北陸や東北の小規模市にも至らない。オレ流といって言い訳文書をこさえる仕事ばかり)ている。こんなものがあっては困る、嫌だということは、署名や選挙など機会あるごとに主権者として意思表示していかないと、市役所の体質も市長や市議の体質も全然変わらないと思う。

●国会やテレビのインタビューで、公務員宿舎が公務員の特権だとわあわあ批判する議員や政党があるが、そうした政党の候補者が朝霞の基地跡地問題でどんな対応をしようとしているのか、判断材料がほしい。
党首が選挙演説含めて公務員批判をわあわあやって、幹事長が公務員バッシングを公約しながら、その政党の選挙区の議員が公務員宿舎をもし追認したり誘致したりしていたら、政争の具のために公務員叩きを利用しているしかないひどい政党である。
またテレビの入る国会審議で公務員宿舎の特権性を暴き立てる論客を質問バッターに立てている政党の候補者が、もし公務員宿舎を追認したり誘致したりするのは言行不一致もいいところだ。
市民の投票行動のために誰か調べてほしい。

●基地跡地について。事実上の「見返り施設」とも言えるシビックコア施設って、官公庁の施設を増やすことなら、役所の増殖じゃないかと思う。大した現業サービスもしていないのに事務員だけ増えているといのうはどうもおかしい。また両端がウインナソーセージのように狭められているようなつくりの50メートル道路って何だろうか。幅広の道路はまちを分断するし、治安も悪くする。彩夏祭のためだけとしか考えられない。彩夏祭をテコに政治進出を図ったグループの政治的手みやげと批判されても仕方がない。どっちもよく見ると、煎じ詰めれば旧来型の公共事業である。

キャンプ跡地 「高層官舎」修正せぬ2007年07月03日朝日
◇国が計画 朝霞市長が答弁
 朝霞市の米軍キャンプ朝霞跡地に、国が高層タワー型の公務員宿舎2棟の建設を計画している問題で、同市の富岡勝則市長は2日、高層官舎計画を市として基本的に修正しないことを明らかにした。跡地の中心部の北側約3ヘクタールを用地に充てる計画が、最終的な結論になるとの認識を強調した。

 市長が2日、基地跡地利用促進特別委員会で答弁した。跡地の利用計画を巡っては市が先月、国と県の担当者らを交えた「基地跡地整備計画策定委員会」で、財務省が示した26、25階建ての高層住宅2棟(計850戸)の建設案を受け入れる意向を表明している。

 それを前提にまとめた整備計画の中間案では、朝霞税務署東西隣の計1・3ヘクタールを宿舎用地と合わせて「事業用地」とし、官公庁施設と民間施設を集約させる「シビックコア地区整備制度」の導入を目指す、としている。

 富岡市長は高層住宅案の利点として(1)建設予定地に土壌汚染や地下埋設物が集中しているため、処理費用の市負担分を軽減できる(2)安定した市税収入が確保できる(市の試算で年間約2、3億円)などを挙げた。

 委員から「市民からどんなに反対があっても、計画を見直すつもりはないのか」と迫られると、市長は「パブリックコメントで市民の意見を集約する」としながらも、計画変更には否定的な見解を示した。

 委員の一部からは「今まで市民と作ってきた計画を袖にするものだ」「土壌汚染の判明で前提事情が変わった。来年6月までとされる利用計画の提出の延期を求めるべきだ」などの批判や意見が出た。

 跡地利用計画では、有識者による市の策定委員会が昨年12月、中心部全域を市が取得して公園緑地化することを最終報告書でまとめている

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コメント

どうも、しつこいネットウヨクです(笑)

なぜ、国家公務員宿舎に市民の方々が反対されるのかが分かりません。

よほどみなさん国家公務員がお嫌いなんですね。
(職業差別が意識の根底にあるのでは?)

跡地すべて公園緑地化って、費用はいくらかかるのでしょうか?
市民のための公園なら、市民から徴収した市税分のみでぜひ作って欲しいですね、決して国の補助なんか貰わずに。

投稿: 一国民 | 2007.07.13 10:29

いつもコメントありがとうございます。

公園についての財政的批判はごもっともの意見です。基地跡地を公園にしようと言っている人の最大の弱点は朝霞の、しかも朝霞駅利用者の人しか受益のないことを、国・県・市では最も財政力の弱い県のお金でやれと言っていることです。
公園派の人たちも、もともとは基地跡地開発そのものに反対していたのですが、基地跡地利用について富岡市長と市役所が夢をふりまく中で、のらされてしまい、結果として「何もしないで放置する」というネガティブな選択を主張できなかったということです。それについては責任論としてはとても難しいものがあります。世の中、「前向き」になっているとき、「ちょっと待てよ」という立場でものを言うには、とても難しいものがあります。代案を出してしまうとこういうことになる、という見本のような話でもあります。

公務員宿舎に反対する意見はさまざまです。特権として公務員宿舎に反対している人たち、都内でいらないとされたはずのものがやってくる、迷惑施設を押しつけられると反発する人たち、地域社会に溶け込まない住民を受け入れることをいやがる人たち、ただでさえパンク状態の朝霞の保育園や幼稚園、小学校の容量不足を心配する人たち、高層建築になることを反対する人たち、などです。そこにはなぜというには十分なそれぞれの理由があって、職業差別という簡単な言葉でくくれるものではありません。

また公務員宿舎が公務員にとってニーズの高いものなのかどうか、もう一度考えなくてはならないと思います。余談ですが、私自身は最終的には公営住宅全廃論者です。生活保護の住宅扶助をもっと改良した家賃補助制度が適切に運用されて、民間不動産業者が社会の利益の大半を持っていくような今の社会構造がなくなれば、公営住宅はただの公共事業でしかありません。それと同じように、住宅事情が改善した今日、そして出生数の1.5倍も住宅を毎年造っているこの国で、公務員という属性のために税金を使って建物を建てる必要が感じられません。これは建物を建てることによって利権を培養したい財務省理財局とそれに群がる利権政治家たちの欲でしかありません。

一方的な条件で住んでいる街の環境が悪化していくことについて、どんな気持ちにさせられるか、借金してマイホームを買ってみるとよくわかります。

投稿: 管理人 | 2007.07.13 23:31

跡地利用というものはどこの地域でも悩みのタネですね。
しかしせっかく米軍という、私からみれば軍国主義国家の軍隊が立ち退いてくれたのですから、有効活用したいですね。

跡地活用で公務員宿舎のメリットとして、
・住民税の徴収額増加が見込める
・環境悪化施設ではない
・住民は国家公務員なので安心できる(うーん、いわんとすることが理解いただけるかな?)
・地元自治体の費用負担が不要
・民間企業による開発でないので、地元の意向を反映させやすい
デメリット
・お説のとおり、保育所等の新たなサービス需要に応えきれない可能性

公園の場合のメリット
・住環境向上に寄与
デメリット
・税収増加に繋がらない
・公園造成費用の地元自治体負担が必要
・公園維持費が新たに発生(これが結構バカにならない)

放置する場合のメリット
・地元負担もなにも生じない
デメリット
・広大な空き地のままでは、税収の増加にも繋がらない
・狭い国土にあって活用されていない土地の存在意義


とりあえず思いつくことはこれくらいです。

国家公務員(中央省庁)の知り合いがいますが、給与も安く(20代は年収300~400万円台)、残業も月100時間から200時間(帰宅時間は毎日午前0時~早朝4時くらいで当然ほとんどサービス残業)、このような勤務条件ですから、国のために働く彼らのために職場近くに官舎があってもいいと思います。

投稿: 一国民 | 2007.07.15 03:56

私自身は基地跡地は放置すべきだと思っています。空き地があるから何かしなければならないという発想が、バブル以降のものではないかと思います(機会損失とか言っちゃったりしてね)。私ぐらいの年齢の者でも、昔は結構空き地があったものだけどもなぁ、と思います。

私も国家公務員を2時に帰すような仕事をさせてしまったことが何度もあるので、彼らの生活パターンについてはある程度存じています。
霞ヶ関からタクシーで1時間強、さいたま新都心からタクシーで40分もかかるようなところは国家公務員の人件費やタクシー代から言って無駄です。

国家公務員宿舎は政府与党の合意で、縮小し、用地売却し、借金返済に充てるということが構造改革の一環で進められているわけです。そこにあるのは国家公務員宿舎不要論です。
その構造改革の後に、路線変更も行われずに宿舎の建設が、しかも国家公務員のニーズの高くない地域をわざわざ選んで行われるということの意味を考えてもらいたいものです。
今、公務員宿舎は平均入居率50%を割り込んでいるらしいです。その中には防衛庁など転勤が多く入居率の高い公務員宿舎もカウントされていますから、一般公務員については相当低い入居率とみていいのではないかと思います。

投稿: 管理人 | 2007.07.15 13:36

それだけもらっているのなら身の丈に応じた家賃のところに住み、
一般の市民と同じような生活を体験なさい。
そうしてこそまっとうな目が養われるというものです。
今国民が年々この国に住んでいて、暮らしが幸福になっていないという実感があります。それを自分たちではっきりとご確認下さい。

投稿: nana | 2007.07.16 22:49

朝霞にとっては、迷惑施設がなくなって、これまでどおりの自然が保全される保障があればいいと私は考えていて、当の公務員すら入りたがらない国家公務員宿舎が不要かどうかの一点だけを主張すればいいと思います。市民各人の受け止めは様々でいいと思いますが、国家公務員各人の生活水準まで云々すべきことではないように思います。国家公務員が悪いというのではなく、不必要な待遇改善のために市民感覚を大きく離れた施設を、市民合意も、何ら制約もなく造ること、造らせることはどうなのかという問題に絞った方がいいです。

国家公務員に現業部門があまりなくなって、細かい調整業務すら民間委託するようになって、入職するのは人気企業以上に大変なことです。大学在学中から予備校に通って、合格をめざす人もいるぐらいです。

公務員の待遇については、
①民間の全平均労働者の水準であるべきこと
②しかし職を手にするまでの苦労をどうはかるか、露骨な言い方をすれば、同じ苦労をして就職するなら民間企業の方が給料がいいこと
③仕事の特殊性をどう評価するか(深夜残業の多さや定型業務の少なさ)
という具体的に考えると矛盾した要請を、ほとんど①のものさしを中心に決定しなければならないという難しさがあります。

②や③をないがしろにすると、かつては官官接待、官費流用と非難されていたような不法行為が習慣化されたり、天下り後の待遇に期待し、さらにはそれを自己目的化し抜け出せなくなるようなシステムづくりを始めてしまうことになります。
「身の丈」を強調しすぎると、現金以外の待遇の充実に走ります。国家公務員宿舎を新たに造るというのもその1つのあらわれだと思います。

投稿: 管理人 | 2007.07.17 03:52

>nanaさん

>一般の市民と同じような生活を体験なさい。

一般の市民とは?果たして誰を指すのでしょうか?
朝霞市民の方って、みなさん平均年収低いのでしょうか。

nanaさんはおいくらですか?

投稿: 一国民 | 2007.07.17 22:50

まぁまぁ一国民さん、あんまり揚げ足取りのようなことを私のブログでしないでくださいな(笑)。

一般論としてはnanaさんの言うとおりです。

それと、朝霞市民の年収は全国平均より高く、首都圏平均より低いです。現実でした。すみません。

戦時に農家から二束三文で接収した土地で、国有地だからと既得権のように税金使って宿舎を建てて貰って、しゃあしゃあと住むなということだと思います。
住宅も余ってくる時代ですから、役所も官舎についての考え方を転換しているべきだと思います。そういう趣旨だと思います。nanaさんの発言は。いろいろな人と一緒に住み、いろいろな感覚に囲まれて生きる、そういうことなしに、これからの高齢社会、つまり生活を政策がどうしていくのかということが最大の安全保障になっていく時代の官僚たちに求められていく感覚ではないか、ということだと思います。

高齢社会とは、鉄砲と愛国心という強がりなんかで国の未来なんか守れない時代になるのです。弱さと折り合わないと国が中から潰れるということなのです。ナショナリストでこれがわかる人はほんとうに尊敬するんだけどなぁ。

あと国家公務員の給料水準を正確に感覚として掴んでいる人はそんなにいませんから、あまりディーティルに目くじらを立てなさんな。一国民さんも自分と同じ歳の公務員さんがいくら給料もらっているか、言い当てられないでしょ。

投稿: 管理人 | 2007.07.18 00:09

>管理人さん
>まぁまぁ一国民さん、あんまり揚げ足取りのようなことを私のブログでしないでくださいな(笑)。

ごめんさない、申し訳ございませんm(_ _)m
大変失礼しました。

(ちょっと興奮しました)

現状でいうと、官僚には過去のような力はもはやありません。
政治主導、そして民間至上主義の元、ほとんど使い走りに近いような状況のようです。
経済財政諮問会議という、選挙で選ばれてもいない学者や大企業トップの言いたい放題の言説を各省庁が無理矢理実行させられ(反論すると「抵抗勢力」)、それが失敗するとそれは省庁の責任=官僚の責任、では、もはやブラックです。

ところで、管理人さんのおっしゃるとおり、武器と愛国心のみでは国は守れません。国家が国民の生活をいかに保障するか、が肝要です。

安心して暮らせること=国家の強み、であると考えます。

故にネオリベ路線の現政権は全く支持しません(前政権はもっと支持しませんが)

投稿: 一国民 | 2007.07.18 22:09

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