« 6/4 読売の保育園保護者バッシング | トップページ | 6/6 路上喫煙・銀行員の自転車放置 »

2007.06.05

6/5 【赤旗系だけども】労働弾圧に株主提案で対抗する労働者たち

東武鉄道から株主総会の議案が届く。役員改選と決算の承認、最近は敵対的買収への対抗策しか議案がないので、目を通して権利を放棄しているが、今回は、目を引くものがあった。

東武鉄道の系列ゴルフ場で労働組合を結成した従業員に対する報復策として、会社を解散、新会社に移行し、労働組合に所属しない職員だけをそのまま勤務させて、労働組合に参加した職員を雇い止めにしたり、通勤不可能な勤務地に転勤させたり、自宅待機にするようなことをした。

それに対して、この従業員を支援する株主提案として、定款に良好な労使関係を確立するよう条項を追加する議案が出されている。
私も含めて、東武鉄道の株主は、熟慮して今回の一連の議案に賛否を示さなくてはならないだろう。

調べたら、自由法曹団や赤旗などの記事による紹介が目立つので、社会民主主義者の私としては完全に与することはできないが、しかし、こうした立場の弱いことを利用したリストラには良くない。身近な東武では、バスの分社化である。もちろん分社化でいちいち官僚的な押上の意向を汲まなくてバスの増便も更新もできるようにはなったが、賃金低下を求められたバス関係の労働者はたまらないものがあったと思う。今回、株主提案として抵抗するのは1つのやり方だと思う。

しかし、提案の文章の水準に難があるように思うし、労働法に理解のない株主には親会社の責任が不明確なままに主張が展開されていて、自由法曹団のリーガルチェックを受けたには水準を疑うようなところもある(「当該キャディ」だけでここまでの文書が書けるには水準が高すぎる)。

一方、会社の反論も巧妙で狡い。所属した会社と当該キャディとの関係は局所的なものにわざと狭めている。一連の東武のグループ再編のなかで起きた出来事であり、東武グループとして位置づけ、複雑な入れ子の構造がありながらも、資本関係がないわけではない。また様々な事実の一部だけを正確に伝えることによって、全体の事実がわからなくなっているようにも思う。

株主提案が指摘しているように、東武鉄道にデスコミュニケーションの体質があることは否めない。HPの情報量を見るだけでわかる。客の意見を集めるシステムを作ったかと思えば、その矛先は客の悪いマナーの摘発に向けられるばかりで会社自身の改善に向けられたものは見たことがない。さらにここ数年のキャッシュフローの強化やすみだタワーへの事業の前つんのめりで、本業のサービス改善があまりみられない。

東武鉄道第187期定時株主総会招集ご通知

第6号議案は、株主提案によるものであります。
なお、提案株主(42名)の議決権の数は、548個であります。
第6号議案 定款一部変更の件
1.提案の内容
 健全で良好な労使関係の確立と労使紛争の回避に関する件

 本会社は、法令と規律をまもり企業の社会的責任を果たす立場から、グループ各社の労働組合または従業員代表と雇用・労働条件並びにグループ経営施策について十分に説明・協議し相互理解を深めることをもって健全で良好な労使関係を確立し労使紛争の回避に努めるものとする。

の条文を定款に新設する。

2.提案の理由
 東武鉄道株式会社(以下、東武鉄道という)は、多くのゴルフ場を経営している。これらのゴルフ場は、東武のグループ会社が運営している。たとえば、宮の森カントリー倶楽部(栃木県壬生町。以下、宮の森CCという)では、これまで株式会社東武スポーツ(以下、東武スポーツという)が運営していた。ところが、東武鉄道は、昨年秋「ゴルフ事業再編」を打ち出し、新しく設立した東武ゴルフサービス株式会社に宮の森CCの運営を移した。そして、東武スポーツが宮の森CCの運営から撤退したことを理由に、24人のキャディーのうち、特定の労働組合に加入する17人から仕事を取り上げ、片道3時間以上かかる那須高原などの配点を命じ、さらに宇都宮地方裁判所から「キャディ職を解く旨の配転を命じてはならない」という決定を受けるとその翌日には「自宅待機」を命じた。
 17人のキャディは、5年前、会社から一方的に正社員から1年契約の契約社員にさせられ賃金も3割以上ダウンさせられたことをきっかけに労働組合を結成し、宇都宮地方裁判所で一方的身分・労働条件変更を争ってきた。その裁判は今年2月に原告側が全面勝訴している(東武鉄道は東京高裁に控訴)。東武スポーツの宮の森CC運営から撤退に経営上の必要性はなく、労働組合結成と裁判提訴を逆恨みし「報復」と「見せしめ」を目的にしたとしか考えられない。それは、運営会社が東武スポーツから新会社に替わってからも宮の森CCの迂遠医にはなんら変化がなく、いっぽう裁判の原告以外の従業員(キャディと事務職)は、ほぼ全員が新会社に移籍していることから明らかである。
 当該労働組合は東武鉄道に「キャディとしての仕事を続けさせてほしい」と話し合いを求めているが、東武鉄道は労働組合との話し合いをいっさい拒否している。
 会社と従業員は立場の違いがあるため、意見の対立が生じ、それが労使紛争に発展することもある。しかし、従業員は会社にとって大切なパートナーである。たとえ、意見の違いがあったとしても、会社の考えを従業員に丁寧に伝え、ねばりづよく説得するとともに、従業員の生活や仕事にじゅうぶん配慮し、健全で良好な労使関係を確立することは、企業価値を高めることにつながる。一方的に身分や労働条件を変更しそれが裁判で敗訴したことを逆恨みして従業員の仕事を取り上げ、話し合いを一切拒否するなど、社会の公器にあたる企業のとるべき態度ではない。
 東武鉄道は、鉄道やレジャー・ホテル事業など一般市民を顧客としている。東武スポーツの裁判は、たびたび栃木県下の新聞やテレビなどマスコミに取り上げられている。また、昨年12月、宇都宮総合文化センターで開催された支援集会は500名をこえた。労組主催の集会としては異例の規模である。地元での争議への関心と支持が急速に広がっていることを示している。これ以上、社会的世論が広がれば、東武鉄道の信用や企業イメージは地に落ちる。男女の賃金差別を訴えられ、格付けを落とされた大手証券会社の事例もある。
 昨今、「コンプライアンス」や「社会的責任」が企業に求められている。東武鉄道は「コンプライアンス基本方針」を策定し、コンプライアンス経営体制の整備に取り組んでいるが、従業員に対し「コンプライアンス」を諭すまえに、経営陣がまず範を示すべきである。
 ついては、東武鉄道の経営陣は当該労働組合及び原告らとよく話し合い、もっと東武スポーツ争議の早期解決にむけ努力すべきもであるという株主の意志を示すために上記のとおり提案する。
(注)以上は、株主様から提出された株主提案の請求書の提案の内容および提案の理由をそのまま記載したものです。

○取締役会の意見
 取締役会としては本議案に反対いたします。
 最初に、株主様からの提案理由につきまして、事実関係に誤りがありますので、主に当社に関する部分について申し上げます。
 まず、「東武鉄道は、多くのゴルフ場を経営している。」との記載がございますが、当社直円のゴルフ場は現在ありません。宮の森カントリー倶楽部(以下「宮の森CC」という。)につきましては、平成19年3月31日までは東武不動産㈱が経営し、その運営は㈱東武スポーツが行っておりました。なお、宮の森CCの資産は、減損会計の対応などかの関係から、平成19年4月1日をもって、東武興業㈱に譲渡されており、その運営については、東武興業㈱の100%子会社である東武ゴルフサービス㈱が行っております。
 また、「東武鉄道は東京高裁に控訴」の旨の記載がございますが、これは当社が当事者ではなく、㈱東武スポーツと一部キャディ等(以下「当該キャディ」という。)との労働条件変更をめぐる訴訟に関するものであります。従いまして、当社が東京高裁に控訴したとの事実はありません。
 さらに、「東武鉄道は労働組合との話し合いをいっさい拒否している。」とありますが、当該キャディは、㈱東武スポーツの従業員および元従業員であり、当社との間に雇用関係はなく、当社が、話し合いをする立場にはありません。
 なお、当社は、本年2月に当該キャディの所属する労働組合より、東京地方裁判所において、当該キャディの労働問題等に関し、団体交渉の応諾および団体交渉を求める地位にあることの確認仮処分の申し立てを受けました。本仮処分に関しては、補助参加した㈱東武スポーツと前期労働組合ならびに利害関係人(当該キャディ)との間で和解が成立しましたが、も当社に対する団体交渉応諾請求については「請求の取り下げ」、団体交渉を求める地位にあることの確認請求については、「請求の放棄」がなされております。このような事実経過が一方で存在しているにもかからわず、当社と当該キャディとの間に雇用関係があるかのごとく記載されていること、は、遺憾であると言わざるを得ません。
 さて、東武グループは、鉄道を主たる事業内容とする当社をはじめ、交通・住宅・流通・レジャーの事業会社にて形成しており、業種は多岐にわたり、各社における事業の特性、専門性も様々であります。そのため、ゴルフ場を含め、グループ各社は、各社の経営実態等にあわせそれぞれの判断において、人事政策、労働条件・賃金体系等を決定しており、それが、グループ各社の適時、適切な業務運営に資するものと判断しております。
 また、株式会社の定款は、主として、会社組織、事業内容、株式等について会社の根幹に係わる事項を具体的かつ明確に規定するものであります。
 従いましてご提案の事項を当社定款に規定することは、不適当であると考え、反対するものであります。

|

« 6/4 読売の保育園保護者バッシング | トップページ | 6/6 路上喫煙・銀行員の自転車放置 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 6/4 読売の保育園保護者バッシング | トップページ | 6/6 路上喫煙・銀行員の自転車放置 »