« 6/19 議事に懲罰委員会を使うのは民主主義の自滅行為 | トップページ | 6/20 社会保険事務所に対する妥当な評価の記事 »

2007.06.20

6/19 みずほ総研、地方公務員の給与削減が消費低迷の原因と

毎日新聞の「地方公務員の給与削減個人消費の低迷に影響記事につられて、みずほ総研「個人消費の低迷の要因を探る」という報告が興味深い。
景気回復が続いていると言われ続けているが、個人消費の伸びが追いつかない上、昨年の夏は消費低迷が見られたという。中小企業、非製造業、地方公務員の人件費の下落が原因と見られ、今後も景気拡大が続いたとしても消費拡大は緩やかに留まるだろうというレポート。

公務員の賃金水準について議論することはとても難しい。民間給与の反映といっても、北欧のような職種横断の給与でなくて、会社の規模や「格」みたいなもので水準が決まっている以上、線引きが難しい。大企業や輸出型製造業の多い地域は民間給与が高いし、郵便局と農協以外は大型スーパーしかないような地域では、スーパーの店長とマネージャーぐらいしか正社員がいないからそもそも比較対象をつくれるかという問題にもなる。
公務労働の中でも難しい。とくに自治体は国家権力を背景にした信用創出(貸し手を囲いこむこと)ができないから、自ずと財源は限られている。自治体の仕事は人的サービスだから人件費が高すぎるという批判は、であるなら公共事業や事務経費にお金を使うのはどうですか、と反論できるにしても、同じ人件費で100人で10種類の事業ができることと、60人で6種類の事業しかできないというのであれば、いろいろ考えなくてはならないことが出てくる。
既得権を守れ、壊せという公務員賃金の議論なら、何も難しくない。良心的になろうとすればするほど難しい。

しかし一方で、地方公務員の給与が、地方交付税で田舎にもある程度きちんと配分され、そのことが、公共事業とは違ったかたちで地方経済を支えているなら、公務員の給与が高すぎると批判することは、地域経済のクビを絞めることになる。唯一の安定して大企業サラリーマン並の給与をもらっている人を、そのまちからいなくしたら、まちにだれがお金を落とすのかということになる。そのことをみずほのレポートを読んで改めて感じた。このレポートは全国の問題として論じているが、郵便局とJAしかないような田舎ではよりこの感覚は強く感じるのではないか。

では公務員が「高い」給与をもらってよしとする議論ができるとしても、次に考えなくてはならないのは、その地方公務員が、地域経済に優先的にお金を使っているかどうか、ということと、所得に応じただけの消費を行っているかということになる。
イオンなどが展開する郊外型スーパーで、地方公務員がせっせと買い物していたとするなら、これはせっかく地方交付税で手当した個人消費財源がまた東京に戻っていくだけの話になる。買い物行く先や貯蓄の割合を強制することはできないが・・・。

●昨日のNHKスペシャルの長寿企業の話は良かった。日本は長寿企業が多い国なんですって。本業への専念、継承者の失敗をうまく吸収できる風習、忠誠度が高く判断力のある社員の存在などが共通していた。
私の最初の勤務先は今、創業115年。北海道の会社だから最古の部類に入る。入社の年は100年目の次の年だったので研修などでは歴史教材が結構しっかりあって、創業一家が近江商人の末裔でありクリスチャンが社の文化であることが繰り返し説かれた。在社中は、長寿企業の特徴があったと思う。給料安かったのに、モラルと寛容の高い会社だったと思う。今もうまくいっているかなぁ。

|

« 6/19 議事に懲罰委員会を使うのは民主主義の自滅行為 | トップページ | 6/20 社会保険事務所に対する妥当な評価の記事 »

コメント

安倍や柳沢、社会保険庁幹部は年金問題の混乱の責任をとって夏の期末手当の一部返上といっているそうですが、選挙の延期による費用の損害こそ具現化しています。
総務省は延期に伴う費用の増加は無いとシレッとしているようですが、地方自治体は甚大な損害。閣僚全員と自公幹部の歳費を集めても足りはしません。

参議院選延期で市町村職員は7月いっぱい選挙事務で拘束されるので、子供たちの学校が夏休み入りしてからすぐの7月下旬の旅行はすべてキャンセル。観光業界の二次被害も甚大です。

投稿: ゴンベイ | 2007.06.23 15:14

社会保険庁職員への国民の憎しみをどう緩和するかということで、賞与の問題は考えなくてはならないところもあって、これをしないとなれば社会保険庁職員に対するファシズム的状況はさらに悪化するかも知れないと思います。政治としては難しい問題ではないかと思います。
もちろん、私のように労働者の味方という立場であるからには、自分の責任ではない問題で、奇怪な制裁で突然ボーナスを取り上げられ(しかも法律的問題があるとかなんとかで自主返上みたいなかたちを取るらしい=懲罰としてではなくて喜んで返上しているという奇怪な制裁になる)ることになった人たちの憤懣も、私自身も経験がありますので、怒りでいっぱいです。こんなインチキ業務ルールをつくってきた、キャリア官僚やNTTデータなどのシステムを売った会社の責任はどうなっているんだということでもあります。

選挙の延期によるコスト増大の是非は、両面から考えなくてはなりません。頭からコスト増がいけないということでは、コストのために民主主義を後回しにしていいという考え方にもなります(審議拒否をする野党に対する批判に使われるロジックでもあります。で審議拒否をしなければ与党の思いのままの議会運営が可能になり、それは民主制の国としてどうかということにもなります)ので、慎重に議論したいところです。しかし、やっぱり、業者や夏祭りや夏休み関連行事を地域で支えている自治体職員にとっては大迷惑な決定です。スポーツ行事の関係者は与党の決定に影響を受けている人が多いのではないでしょうか。そういう人たちが一票に怒りを表現してもらいたいと思います。

投稿: 管理人 | 2007.06.23 20:56

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 6/19 議事に懲罰委員会を使うのは民主主義の自滅行為 | トップページ | 6/20 社会保険事務所に対する妥当な評価の記事 »