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2007.05.30

5/30 払った人の態度に問題をすりかえる与党の年金問題

こりもせずに、年金が無くなった人を救済する法案で再び強行採決。年金の時効を撤廃するというもの。
与党は、年金の時効を廃止することに反対した野党、と批判したいのだろうけど、そんなに国民バカじゃないと思う。どさくさで救済法案を作る方が年金運用金をいいように権益拡大に使ってきた厚生労働省の役人たちの思う壺である。

それから、この救済法、時効をなくすから、家計簿でも証明すれば救済してやる、というが、家計簿からどうやって厚生年金や共済年金の加入期間や加入したランク「標準報酬」を割り出すのか。バグだらけの情緒論である。コンピューターで名寄せの作業をやった人ならわかると思うが、コンピューターで人間のデータを名寄せすることがどれだけ大変だか、わからない人の考えだと思う。
さらにコストパフォーマンスを言うと、手間暇かけて調査して、獲得できる年金は、それぞれの加入者にとって数年分の保険料であることが大半であることが想像に難くない。調査にかかるコストがかかりすぎると思う。

安倍首相は、「こつこつ保険料払った人が年金をもらえるように」と言ったが、この考え方を全面展開することに年金危機そのものがあるのだと思う。だいたい国民皆年金なのだから、すべての国民がこつこつ払っていることを前提にして改革を検討すべきであって、国民がこつこつ払ったか払わなかったか、という精神の問題にすりかえるのは良くない。

公的年金は任意加入でないこと、自己責任を強調しないこと、将来給付という負債には将来保険料という資産で評価し、運用金を多額に保有しなくてよいことに意味がある。多少ドジな人生を送っても、老後ぐらいは困らないようにして、本人の子どもや孫など現役世代にリスクを負わせないようにすることに意味がある。そうでなければ公的年金でなくてもいい。

また社会が流動化していて、本人が望まなくても会社が変わってしまったり、転職を繰り返したりする時代になっている。したがって「払った保険料」を完全に捕捉することは難しい。

年金より医療で指摘されているが、社会保険中心の日本の社会保障制度が、貧困者には役に立たない社会保障制度になっているという議論もある。保険料を払っただけもらえるという年金制度自体を変えるべき段階に来ているのに、その課題を与党は巧妙にさけて社会保険庁職員の仕事の態度に制度の矛盾をすべて押しつけている。今回の混乱はその政治手法が、政治的感情の問題になっても年金問題の解決に何の役にも立たない議論であったことが見えてきていると思う。社会保険庁を解体したって何したって、社会のシステムに合う公的年金制度に改革しなければ、結局今のままで、社会保険庁にコンピューターを納入する会社とか、年金の運用金を流用して公共建築をすることに群がる人たちが免罪されるだけである。

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