5/27 タクシーは規制緩和で質が上がったのか
●タクシーの供給過剰地域に参入規制が導入される。増車を抑制するインセンティブが何もないため(ふつうの市場は過当競争になれば経営者の収益減になるが、タクシーの場合、そのリスクの大半はすべて運転士の収入にしわ寄せされるため、経営者は同業他社がせっせと増車していればシェアを失うリスクより増車のリスクを選択するい)、タクシーの品質を守るためには社会的規制しかないと思う。
しかし、朝日はわざわざこの記事に解説をつけていて、「規制緩和自体は消費者に利益をもたりした。過当競争のために、既存の業者の保護につながる規制を政府が安易に認めるなう事態になれば、その負担は消費者に回る」などと断定しているが、何をもって「消費者に回る」などと断定できるか。毎度毎度のこうした朝日の論調に、タクシー問題を取材している朝日の記者の質を疑う。規制緩和ちちんぷい万能論の信者だ。日経新聞にでも転職した方がいい。
今は、運転士が睡眠時間切りつめて営業していて、そのことで消費者は安全と引き替えに規制緩和を受け入れているだけ。つまり、過当競争のつけは乗客の安全リスクの低下にしわ寄せされているだけ。サービスなんかちっとも良くなっていない。タクシードライバーの流動化が進んで、道の知らない地雷に当たることも増えた。それでも規制緩和が消費者に利益があるなどと強弁できるのが不思議だ。朝日の記者は国会議員みたいに黒塗りの社用車で動き回っているからわからんのだろうけど。
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コメント
>「過当競争になれば経営者の収益減になるが、タクシーの場合、そのリスクの大半はすべて運転士の収入にしわ寄せされる」
これってIT業界における派遣や多重下請け構造ののピンハネ会社が、正にこの構造ですね。こちらの業界も規制するなり、経営者への罰則を強化するなりしないと、技術力が崩壊するのは時間の問題ですよ。このペースだと、長くてもあと10年も保たないと思います。経営者的には10年間業界を食い物にして、自分の私腹を肥やしてから逃げ出せばいいという腹づもりなんでしょうけどね。現場の技術者としてはたまったものではない。
投稿: 貧乏神 | 2007.05.30 11:10