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2007.05.23

5/23 選挙運動の規制は官憲支配の道

午前中、地域福祉の庁内推進委員会と市民推進委員会の懇談会。中堅の面白い職員たちだった。

●杣正夫「日本選挙制度史」(九州大学出版会)を読み始める。ほんとうは、公職選挙法の厳しい規制のルーツを正確に押さえたいと思い、統一地方選挙中に発注したが、やっと配達になって、今頃読んでいる。

戸別訪問(有権者を訪ねて投票の依頼や政策の説明をすること)が日本では禁止されていているが、これは世界でも稀にみる規制であり、そのルーツを正確に押さえたいと思ったからだ。戦前に「きれいな選挙」という名目のもと、国民どうしの横のつながりによる運動を裁ち切り、民意を抑圧する意図で導入されたことまでは知っていたが、ことこまかな事実はこの本が一番いいようだったため。

今は、1925(大正14)年普通選挙の実施と引きかえに、治安維持法が強化されたことはよく知られているが、同じく普通選挙法の選挙規制をもって、戸別訪問が「買収の温床」として禁止された。しかし、当時は「買収」は選挙運動期間中に行われるものではなく、また戸別訪問とは別のものだという至極真っ当な反対論も強かったが、内務省の提案のもと、普通選挙へ移行するために、普通の人を基盤にして出てくる新人や(議会主義の)社会主義者などの挑戦に立場を脅かされる現職議員たちが喜んで受け入れたという。

そうした「きれいな選挙」の徹底が徐々に官憲の選挙介入を呼び、やがては野党への集中的な取り締まり、最後には1939年の警察による演説会場での投票指導へと至る過程も引き続き書かれている。その結果が戦前の議会の無力化となっている。なぜやるのかよくわからないが、選挙直前に警察から「きれいな選挙」のよびかけがされるが、これはこの時代の「選挙粛正」宣言と野党党派への取り締まりの名残ではないだろうか。

今でも、選挙をやる人たちの間では、公職選挙法には解釈が不透明なものが多く、摘発や取り締まりが属人的であるということを言う人がいる。確かに、そう思うし、ある日突然、警察や検察の一方的な判断でやってよかったことがいけないとされることが多い。

政治家を厳しく監視することは大事だと思うが、選挙にいちゃもんをつけたり、買収でもないような選挙違反の取り締まりにざまあみろとしか思わない国民の行き着く果てに、官憲の選挙弾圧が待っている、という教訓を経験しているはずなのだが。

しかし某革新政党(東京だけかもしれないが)は、一時期他党派の選挙違反の告発に熱を上げていたこともあり、いったい歴史から何を学んでいるんだろうと思うこともある。弁護すると、この党の系列弁護士(京都の弁護士)たちは「自由にできる選挙運動」という本を市販して、選挙運動とは本来自由権に属することで、民主主義のためにはできるだけ手段は自由であるべきだというようなことを書いていて、民主主義社会の選挙運動のあり方についてきちんとしたことを押さえている。

民主主義のためにはもう少し表現手段を中心に選挙規制を緩和した方がいいに決まっている。しかし議員や政治家になりたい人間が自ら選挙制度を緩和してくれとは言いにくい風土もあり、何か大きな機会がないかと思う。衆議院議員選挙についてはビラやポスターの緩和がされたが、地方選挙は政治改革前のままである。

●交差点でクルマを流れやすくするカーブを埋める「狭い交差点」に戻す取り組みを進めるという。マイカーの視点だけで進められた道路改良を歩行者の安全の視点から戻す取り組みがあちこちで進められている。期待したい。

事故防止に「狭い交差点」 コンパクト化で交通事故減
2007年05月23日17時51分

 道を広げるのではなく、交差点を小さく見せることで交通事故を減らそうという試みが、東京都港区の表参道交差点でこの夏始まる。交差点を狭く感じさせたほうが運転者は慎重になる、という心理を利用する。国土交通省関東地方整備局によると、こうした取り組みが広がりつつあるという。

 幅40メートルで8車線の青山通り(国道246号)と、6車線の表参道(都道413号)が交わる表参道交差点。トラックや車が頻繁に行き交う。周辺にカフェやショップが並び、人通りも多い。

 ここでは年平均22件の死傷事故が起きる。同整備局によると、交差点内の車の走行距離あたりの事故発生率は、都内の平均の7倍以上。右折する車と対向車の衝突や、左折しようとした際に歩行者と接触する事故などが目立つという。

 そこで同整備局が進めるのが「交差点のコンパクト化」だ。停止線と横断歩道を塗り直して交差点の中心側にずらし、横断歩道に囲まれた部分を小さくする。交差点の四隅は緩やかなカーブとなっているが、コンクリートの縁石を道路側に出し、鋭角に近づける。幅約1.5メートルの中央分離帯を数十センチ削り、右折レーンを右方向にずらし対向車を見えやすくする工夫もする。

 青信号で交差点に走り込もうとする運転者は、視界の中の交差点が若干小さく見えることで、より慎重になり、スピードも落とす――そんな効果に期待する。

 従来は、渋滞解消のため、道路改修の際などには交差点をより大きく造る傾向があった。コンパクト化のアイデアは30年ほど前から紹介されていたが、広がりを見せているのはここ数年。3年前実施された東京都八王子市の国道16号の万町交差点では、年5、6件あった事故発生数が2件程度に減るなど効果も上がっている。

 工費が比較的安く済むことも、普及の後押しをしているようだ。今年度は都内でほかに、駒沢大学駅前交差点(世田谷区)や北千住交差点(足立区)など7カ所で進められる。

 都市交通が専門の久保田尚・埼玉大学工学部教授は「交差点が大きいとスピードを出したまま曲がり、心理的にその先もそのままのスピードで進めるような気がしてしまう。巻き込み部分が鋭角になるなど交差点が小さいと、ブレーキを踏んで歩行者に注意しながら進む」と説明する。

 表参道交差点では早ければ7月に着工し、年内の完成を目指す。

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