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2007.05.10

5/10 食べ物の安全・核攻撃からの安全

アメリカで、中国産の原材料を使ったペットフードに化学物質が混入されたと大騒ぎをしている。それはそれで自分のかわいいペットのために騒いだらいいと思うけども、議会あたりでは中国叩き、黄禍論みたいな話になっていて、なんだかなぁ、と思う。

食肉にする鳥に平気で肉骨粉をを食べさせたり、あるいは確率論と書類管理だけでBSE牛の心配はない、と言い切り、あるいは成長ホルモンを与えて育てている牛。そんな、不気味な誰も食べたくもない買いたくもない米産肉を、政治交渉で押しつけようとする米国。日本の消費者は全頭検査を望んでいるし、それさえやれば買ったっていいと思っている。それなのに、全頭検査はダメ、輸入食品の衛生検査が厳しすぎる(=背骨がちょっとぐらい入っただけでお目こぼしもしないとは何事だ)と因縁をつけ、万一、それで押し負けて輸入条件の緩和を認めても、今度は消費者がそっぽを向いているのに、売らせるために産地表示の義務の緩和まで言い出しかねない雰囲気。

米国はペットのためにこんなに騒いでいるが、こっちは人間が食べさせられようとしているんだ。動物愛護派には申し訳ないが、犬と人間とどっちが大事だと思っているんだか。メディアにのせられている。

●メディアにのせられているという意味では、最近流行しだしているバイオエタノールバッシングもそう。
食料危機なんて目の前にあることではなく、経済成長している人口大国での耕作放棄の方が問題になっているし、中国やブラジルやインドで農業従事者が確実に減っていく現実にどう立ち向かうかという意味で、農業に付加価値を付けることは避けられない。バイオエタノールへの批判の大半は、石油の浪費にもっと言える現実ばかりなのに、あたかも石油を使わずバイオエタノールを使うことが地球や世界経済を痛めつけるなどという論理がまかり通っている。

●高田純「核爆発被害」(中公新書)を読む。核爆弾がどのような被害を与え、どのような防護策が考えられるのか、よくわかる本だ。広島の爆心地近くで生存した人の体験談の紹介が生々しい。
広島や長崎のように、空中で核爆発を起こす(核爆弾の火の玉が地面につかない高さ)核爆弾は、閃光と熱、衝撃波がもたらす被害が大きい。被害は同心円状に広がる。この場合、爆風の回避や初期の被爆を回避することに力を入れるべきだと言う。
一方、ビキニのように、地上(火の玉が地面に到着する高さ以下)で核爆発を起こす核爆弾は、地面や建物を溶かして舞い上がる物質が核反応を起こして、「死の灰」になって風にのり風下では100キロ以上も離れた地域でも影響を与えるという。
わかる人に聞くと詳細に説明してくれて結局何度聞いてもよくわからなかった核爆弾の核反応がどういったことなのか、わかったように思う。
著者は医師なので、国民保護法制から核攻撃に備えた社会づくりや防災教育をせよという主張でしめくくっている。そういう面もあるとは思うが、その主張には慎重に思うところも多い。
あとしばしば文中で出てきた、(鉄骨柔構造のことだと思うが)高層ビルや、一面ガラス張りの建物への警鐘も、地震やテロ対策含めて考えておくべきだということは同感だと思う。首相官邸、核攻撃には最も弱い建物なのではないか、と著者は疑義を呈していた。著者はあのあたりで爆風に耐えられる建物は国会議事堂だけだという。地下も高層ビルの下以外は被害を回避するのに役立つと言うが、最近地下鉄直結の超高層ビルが増えて、地下街も安心できない。

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