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2007.04.04

4/4 実態に目を向けて

保育園が変わり、隣に市の基幹的な社会福祉法人の施設がある。送迎をして、同じ社会福祉業界の人たちの保育園に対するまなざしの冷たさをいろいろと感じるできごとがあった。こんな感性の人たちに、セーフティーネットとしての福祉サービスをゆだねて良いのだろうか。指定管理者の指定を受けるので苦労していたときは同情したがそれは間違いだったかも知れない。

保育園を考える親の会の会報が届く。この会の運動にはほんとうに頭が下がる。労働運動がもっとしっかりしなければならないのに、私が保育政策を担当していた時は、この会の議論に甘えっぱなしだった。

保育問題入門という記事で、規制緩和を含めた一連の保育制度改革のおさらいが書かれている。1995年のエンゼルプランで保育サービスの計画的整備が全国的に始まり、1997年の児童福祉法の成立で考え方が整理された。2000年ぐらいから今度は経済政策としての保育所の規制緩和が始まり、規制の切り売りが始まる。2001年ぐらいから規制緩和と並行して第三者評価や職員の資格の整理などが行われる。

「よくなったことと、悔やまれること」として

よくなったことは、「利用者のニーズに応える」ということがしきりに言われるようになった結果、認可保育園の0歳児保育や延長保育がめざましく充実してきたことです。また保育者の意識改革も進みました。「子どものため」を盾に立てて、就労支援に消極的だった保育園も、「親を支援しなければ、子どもたちの育ちも支えられない」をかけ言葉に、親たちの働く実態に目を向け、自ら変わっていったのです。

と書いてある。少なくとも、厚生労働省をはじめ、全国的な保育関係団体、保育分野の研究者などは、この前提を共有しながら、政策の利害対立を調整できるようになってきた。よく勉強している保育者はもちろんのこと、自治体の自主財源の少ない地域など、ギリギリの行政サービスのリストラをつきつけられたり、近隣地域で目の当たりにしてきた保育関係者もそういう考えている。

しかし朝霞を含めてまだまだ首都圏の一部の地域では、子ども関係者の中に、変わらないまま「盾に立て」る議論が根強い。先日もある行政資料のチェックを頼まれて、その中では、困っている人の保育ニーズより、保育サービスの濫用のことをことさら問題にして書いている割合が多く、それは違う視点から考えなくてはならないんじゃないの、と突っ込みを入れた会議の顧問格で社会福祉の重鎮の発言も、原稿では濫用論に同意したことになっていた。もちろん、社会福祉の大家が、全国レベルで共有されている前提を無視した発言を公的な場でするとは思えず、再確認してもらった。

発達段階論のような科学の色を装って強硬に自説を曲げない人もいる。きっと地域の同業者、価値観の異ならない人たちどうしで保護者(お客様)批判を千年一日続けているのだろう。自分のはめた枠に入らない子どもや保護者が嫌いなんだろうな。
子育てや保育の規制緩和に一貫して反対してきたけど、こういう底意地の悪い人たちに接すると、ついつい暴力的な規制緩和論に加担したくなってしまうときがある。

●とても尊敬する方にこのブログでご迷惑をおかけてしまった。反省。

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