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2007.04.29

4/29 ボランティア参加で介護保険料減免

厚生労働省が介護保険料にボランティアポイントを導入するという。介護ボランティアに参加した人ほど介護保険料が安くなるというものだ。

一見、善政のように見えるが、結構滅茶苦茶な制度である。社会的にも肉体的にもボランティアができない人たちがいる。そういう人たちとそれ以外の人たちに差をつけることになる。

介護保険の理念の中には、そうした社会的・健康的に不利な状況におかれた人たちに等しく介護を受ける権利を与えることにあったはずで、介護予防事業の後ろ暗い話なども含めて屈強な人間ばかりを優遇し、介護は自己責任と言わんばかりの最近の厚生労働省のやり方には違和感を覚える。

ボランティアに参加さえしていれば要介護にならない、などという保障もないし、介護保険を減免してほしいだけでボランティアに参加するような人間にボランティアされるのもどうだろうか。まさに制度設計時に「保険」の考え方になじまないと斥けたことは正しい考え方である。

さらには、所得階層が少ない今の介護保険料でこの制度を導入すれば、低所得者ほどボランティアにかり出され、ボランティア参加による減免の恩恵が数千円に留まる高所得者は参加しない。ところがメタボリックシンドロームは高所得者に集中している(100円ハンバーガーなど低所得者向けのファーストフードが普及しているこれからはちょっと変わってくるかも知れないが)。まったくおかしな話になる。

さらには、介護保険制度はこれから障害者介護と統合することを真剣に考えなくてはならない段階に入る。障害者介護と統合するに際して、こうした制度を導入することがふさわしいのか、よく考えなくてはならないと思う。

不当判決をなくし、不透明な裁判制度に外からの光を当てようという裁判員制度には、仕事や体の事情で参加できない人のことを真剣に議論するのに、仕事や体の事情で介護保険を使わなくてはならない人を制度で不利な状況におくことはどうだろうか。

自治体の判断なので、地域地域でよく話し合って導入することをしてほしい。その際、最低限、このボランティアの中に、介護サービスへの参加を入れないようにしてもらいたい。介護をする人と受ける人の圧倒的な立場の優劣をつくってはならないし、そのために現在はそこに金銭を介在させて立場の優劣を精算している。また、どうしても必要な介護労働力が無償ボランティアと比較されて、いつまでたっても低報酬で人材が定着しない。ボランティアから出発する介護労働への評価のままでは、景気回復(景気の正常化という段階だが)による賃金上昇とともに、制度あってサービスなし、ということになっていくだろう。

介護財政の建て直しをやりたいのであれば、医療保険制度の改革をし医療と介護の棲み分けをなお明確化すること、医療に対して著しく評価の低い介護労働に対する処遇改善を行うこと、介護事業者に対する保険者(自治体)監視機能を強化し不正請求を根絶すること、ケアマネージャーの雇用主を民間事業者から切り離すことなどが課題になるはず。厚生労働省は介護や医療関連の事業者団体の圧力に負けて、これらの課題を先送りにし続け、介護についても個人責任の面ばかりを強調するのは、虫が良すぎるのではないかと思っている。

介護保険料にボランティア制、活動に応じてポイント獲得
 厚生労働省は、介護保険と連動させた高齢者ボランティア制度を考案し、全国の市町村に普及させていく方針を決めた。

 積極的に社会参加してもらうことでいつまでも元気でいてもらい、介護給付費の抑制につなげる考えだ。

 参加を促すため、活動実績に応じてポイントが獲得できるようにし、ポイントで介護保険料などが払えるようにする。大型連休明けに各市町村に通知する。

 制度案によると、対象は原則65歳以上の高齢者。高齢者施設で食器を並べたり、高齢者の話し相手をしたりするなど、様々なボランティア活動に参加してもらう。ボランティアで得たポイントは、介護保険料や介護サービス利用料の支払いのほか、自分が頼んだボランティアへの謝礼として使えるようにする。

 制度の運営は、介護保険の保険者である市町村が、介護予防事業として行う。高齢者の登録や獲得ポイントの管理は、地元の社会福祉協議会などが担当する。

 市町村によっては、既に地域通貨を使ったボランティア制度などがある場合もある。厚労省では、こうした制度と連動させたり、商店街が発行するクーポンと交換可能にしたりするよう促して、地域の活性化にも結びつけたい考えだ。

 ボランティア活動の対価としての保険料減免について、厚労省はこれまで、保険の原理を逸脱するとして認めていなかった。06年4月の制度改正で、介護予防事業として実施できるようになったため、今回、改めて通知を出すことにした。

 介護予防事業は参加率が低いなど手詰まり感が広がっており、導入する市町村は少なくなさそうだ。
(2007年4月29日3時3分 読売新聞)

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