4/20 美しい・・・
美しい国と思うことについて公募をするとかいうことで、安倍政権は焼きが回っているとしか思えない。
大阪大学の小野善康先生が、「企業は社員をリストラできるけど、国は国民をリストラすることはできない」と、企業と政府の役割の違いの根本的な立脚点についてうまく表現されたが、まさしく、個々が美しく生きたり、美しく活躍することはできるし、そうであった方がいいのかも知れないが、この社会、美しくない人もいるし、美しくない生き様の人もいて、そういう人も包括して国というものなんじゃないかね、と思う。
焼きが回っていると思うのは、美しい国という事例を集めて何になるのかね、ということだ。
私は美しくないことも含めて、この国のダメなところもいっぱい感じた上で、この国にいたいと思う。愛国心なんて軽薄なものではなくて、嫌な親で縁切りできないような感覚だ。
でもあえて美しいことを想像しなければならないなんて、よっぽど人をまとめていく能力が、この国の政府にはなくなっているんじゃないかと思うのだ。
で、美しい国なんていう事例を上げてコンテストしてみたところで何なの?という感じがしてならない。広告代理店だかPR会社に落ちるわけのわからないコストばかりがかかるだけではないか。
美しい国というときに、ほんとうに気になるのは、どんな人にも丁寧にやさしく接することができる社会になっているのか、ということだ。しかし、離婚後300日以内に生まれた子どもを「不倫の子」と言ってのける閣僚がいたり、それを是認するようなトップがいたり、人を蔑んだり、自業自得の論理だけで社会の矛盾を整理しようというような社会を促したりするようなことばかりだ。それが美しい国なのか、私にはそうとは思えない。
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