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2007.04.14

4/14 健康増進ならマイカー使わせるな

朝、保育園のお見送りをする。子どもと親の事情で、家から遠い保育園に通っている。私の住む町の保育行政は、公立保育園は8ヵ月しか預からず、1歳児段階での定員は0歳の持ち上がり分にプラス1人しかないので、見事にはじき飛ばされたことが原因だ。それから、16時30分以降はお金はかかりませんが延長保育です、などと威張られたり、口コミで怠慢とも思えるような保育内容を聞いたから、そんなところには預けたら、精神衛生上良くないと思ったからだ。

私の住む町の保育料は認可保育園でも全国でもトップクラスの金額だ。しかも民設園だということで給食費の補助が一部を公立なら無料でやっていることを差別待遇で出さないみたいで、一部自己負担が上積みされることになった。
県境を超えて都内は全国最低で県内の半分ぐらい。だから都内の人に朝霞の保育料を話すとびっくりされる。でも、市のパンフレットの最初の方のページで、保育にはこんなにコストがかかっています、などと恩着せみたいなグラフが掲載されている。冗談じゃない。こういう表現は下品だし、そんな下品なこと言うなら、その前に保育所に預けている家庭とそうでない家庭の払っている住民税の差額も表現してくれ、と思う。

で、お見送りを終わって、保育園の最寄りの過疎地で、バスも1時間に2本あるかないかのところ、駅に向かうバスをひたすら待つ。バス停の前には市営の健康増進センターがある。といってもそれは温水プール施設。目の前を次から次にマイカーがやってきて、たくさんの人が入っていく。もちろん駐車場もいっぱい。マイカーでやってきて、中には加えたばこで降りてきて煙をまき散らす。どこが健康増進なものか。単なる遊興施設じゃないか。税金使って泳ぐなら、その前に歩け!と思う。

仕事で保育園を使って、全国トップクラスの5万円近い保育料を払って、住民税を納めているのに、バスが思うように来なくてタクシー代を払ったり、ときには遅刻して休暇切符を切られたりしている。このバスも鯖読みダイヤで、時間にルーズだ。

他方、遊興施設の利用料は400円。駐車場は200台分もあってこれはタダ。毎日通っても1万円程度しか費用負担がない。しかもバスでしか来れないような人はまず来ない。ほとんど資産格差の問題。マイカー持てるような人だけが遊びにくる。
※市の施設全般に言えるが、マイカー族を優遇している。マイカーでやってきた人には駐車場をタダで使わせるのに、公共交通を使ってやってきた人に何の優遇もしない。

保育園の送迎に路上にクルマを止めたら近隣の市外郭団体の職員に注意される。そこの職員たちも市役所が農家から借り上げている駐車場をタダで使っている。余談だが、市が借りた駐車場周辺の畑の賃借料は市街化調整区域にもかかわらず賃料の相場が高いらしく、保育園側で土地を借りようとしても価格が折り合えないでいるらしい。市が200台分の駐車場をいったいいくらで借りているのか、調べてみたい気になる。

私のようなマイカーのない人間は、バスを使って不便に耐える。バスがほんとうに来ないから、1日1回は、自宅→保育園・保育園→駅・駅→保育園・保育園→自宅の行路のどこかはタクシーを乗らざるを得ない。
10年ぐらい前の参議院議員選挙で民主党の候補の実働部隊がないからと、朝霞地区の街頭行動、とりわけ応援演説をさせてもらったが、そのときに駅前で「税金を納めるだけの人と使うだけの人、そんな分断を克服したい」と絶叫させていただいたが、10年経って公共事業が減ったのなんの言っても、本質的には何も変わっていない。それを実感させられて、気分はブルーだった。

●たいそうな理念的な保育方針とか、教育方針とか、そういったものより、本当に日々の生活の場を整えて、誰にも門戸を開けるということだけでもできることが、たいしたことなんじゃないかと感じるこの頃。
感動的な保育方針を具体化できるのはほんとうに運まで含めて恵まれた保育者だけだと思う。

普通の保育園でよい、ただ預かるだけの保育園でもよい。そこでただ、差別しない、先入観を持たない、預ける家庭の背景事情を尊重する、それだけでもできている保育所も保育者も少ない(それがどんなことかは石田衣良「池袋ウエストゲートパーク6 灰色のピーターパン」の「駅前無認可ガーデン」を読んでほしい)。

あるいは泥だらけになったりうんちを漏らした服を水で濡らしもしないで親に突っ返すような、つまらないサボタージュを「親の自覚のため」と豪語してしまう保育者もいる。そこで濡らしてビニルに放り込んでおくだけで、後の洗濯の手間が全然違う。その分子どもと関わってあげられる。
保育園の帰り道にスーパーがあるからと立ち寄っただけで怒られる保育園があるという。保育園の大荷物担いで子どもを連れてスーパーに行くことがどれだけストレスを掛けているのか、立ち寄りで買えば10分で済むことが30分かかり、かえって子どもたちの食事の時間を遅らせてしまう。

「親が親たれ」「子育てとは…」などという神学を説くヒマがあったら、たいした労力を使わなくてできることなら、他人の役に立つことをやっておくべきではないかと思う。

年度替わり、いろいろ保育園について考えてしまう。

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コメント

あのゴミ焼却場のそばの施設のことですね?私も一度行ったことがありますが、ああいうのは民間施設の方がよくできているのであまり利用価値がない・・と思ってたら、どうやら閉鎖になるらしいです(苦笑)。
それにしても子育て支援が、まったく支援になっていないんですよね。
私の市の公立保育園も、送迎が済むまでは買い物するな、と言われてますが意味がわかりません。ちょっと肉屋に立ち寄るぐらいいいと思うのですが。延長保育過ぎたら早く少しでも子供を迎えに来い、ということかもしれませんが、そもそも、働いていないと入園できないのに、16:30からの延長保育という意味もわかりません。
あまりにわからないことばかり、今度市に聞いてみようと思います。


投稿: うがんざき | 2007.04.16 13:16

ごみ焼却場の近くではなく、そこから数百メートル離れたところにもう1ヵ所あるのです。朝霞は。
焼却場の近くの方は毎年1億税金を垂れ流して、しかも湯おけが割れていたとかで、その補修費を捻出できず閉鎖になっています。

たぶん16時30分のままというのは、考え方が1981年以前のままということです。それまでは16時30分~17時30分ぐらいに閉園してしまう保育所が当たり前でした。1981年、ベビーホテルで子どもが次々に死んでいって社会問題化しました(この問題をスクープして有名になったのが堂本千葉県知事)。その結果、基本的な保育時間を11時間とする厚生労働省の基準改定が行われましたが、首都圏を中心に8時間保育園開所を固守したい人たちが、原則16時30分まで、以降は無料の延長保育とするというような勝手な運用を決めたようです。その結果、16時30分以降はオプションサービスなんだから、どうしてもという理由以外は使うな、ということになって、今日に至ります。
これがおかしな考え方だということは、高齢者や障害者の介護と比較するとよくわかります。家族の買い物の間の見守りのためにデイに預けられない、ヘルパーを呼べないなんてことはありません。
また家族というものに対する想像力の貧困さを感じてしまいます。
昔、評論家の樋口恵子さんにおたくの労組に話を聴きたい、と上司が呼び出されて、「首都圏での延長保育の実施状況が悪い。仕事が重荷なら、17時以降は、保育士に帰っていただいて、そのままの施設で地域の子育てボランティアに開放したらどうですか?」などと突っ込まれたこともありますし、そのことを政府の審議会で提案されたこともあります。
保育士の尊厳を守る立場から、「そういう大変な部分こそ保育関係者の責任ですから」と返しましたが、つまらないことばかりこだわっていると、そう言われてしまっても仕方がない面があると思います。

現在は保育は自治事務になってしまったので、これを取り締まる法律はありませんが、2000年以前に声を挙げていれば、11時間開所を求めていた保育所の補助金関係の法律的扱いで問題にできたかも知れません。また、国の延長保育の補助金の通知では11時間超えを延長保育と呼ぶと定義しています。

投稿: 管理人 | 2007.04.17 03:07

丁寧なコメントありがとうございます。
本当におっしゃる通りで、家族というものに対する想像力の貧困さ、ということに集約されてると思います。
結局はこっそり買い物していくしかない、というか、結局みなさんそうしているんじゃないですかね?もっとも、閉所時間については、どう頑張っても都内からではギリギリの時間にしか迎えにいけないぐらいの時間なので、買い物できる時間はほとんどありませんけれど。

投稿: うがんざき | 2007.04.19 12:38

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