3/7 地方の首長とは
●都知事選挙に浅野史郎さんが出てくれることになった。ほんとうによかった。
政局がらみでしか読まない人は共産党が相乗りしてくれることを期待しているようだが、福祉政策では、規模と専門性を頼りに行政の恩恵を最大限に強調する共産党と、利用者の自己決定権を最も強調するために小回りさとフラットさを重んじる浅野さんは、制度設計の思想において正反対の立場。共産党にとって相乗りは、これまで培養してきた支持層に対する裏切りになるから、よほどのことがない限りできないだろう。
あと、左派の人たちには誤解してもらいたくないのは、浅野氏は左派でも何でもなく、情報公開や手作りの民主主義に前向きで、人権感覚がまともな人だということであって、そのことが他の都知事候補に比べて左派の政治的前進に役に立つということで利害が一致している。したがって、イラクだとか、北朝鮮だとかで変な踏み絵を踏ませるようなことは慎んでいくべきであることは言うまでもない。
●国立市の上原市長が次期立候補せず。議会という、ネガティブな政治劇場の不毛を嘆いての退陣。優秀な人なので残念だけども、不毛な国立市の議会の話を聴いていると、上原さんの人生を無駄にする必要もないので、仕方ないと思う。
改めて自治体の「統治機構」についてどうあるべきか、再考すべき段階にきていると思う。特に地方議会は制度疲労という感じがしてならない。志木市の穂坂前市長が議員から市長を選ぶシティーマネージャー制を構想して、志木ではあっけなく葬られてしまったが、議会がもっと責任のある立場で、責任のある議論をしてもらうシステムをどうするか、今の自治体執行部をつっつくだけのシステムじゃないあり方を考えるべきなんじゃないかと思う。
以前、職場の専務が夕張市の破綻を受けて「職員、議会、市民どれかがきちんと機能していれば、ああいう破綻はありえなかった」という発言をした重みを最近じわじわと感じている。
●築地市場の移転に反対するデモ。移転予定地の豊洲の土地がめちゃくちゃ汚染されているからだという。
都心に近いところに残されている生活のにおいを守ってほしい。
●偽装請負報道のためにキヤノンが朝日から広告を引き上げたという噂が流れている。広告が何のためにあるのか、よくわかるような話である。
●安倍内閣が、憲法改正の国民投票法案を憲法記念日までに衆議院通過させると決めたらしい。憲法改正は国民合意をもって進めるべきであって、また国民投票という手続きも成立過程に意見対立があったまま進むということはあまり好ましいことではない。そういう意味で、安倍内閣がこうした判断をしたことは残念だと思うし、自殺行為になっていくのではないかと思う。
私の持論であるけども、ダメな政治家・政権ほど、こうしたイデオロギー問題を政治課題にしたがるといういい見本だと思う。
| 固定リンク
コメント