3/22 産科医のお産と助産士のお産のベストミックスを
●横浜で看護士に助産士業務をさせていた病院があった問題から、子宮口の開き具合を測る内診について、医師か助産士にしか認めないとする厚生労働省通知が発出されている。それに対して、全国の産婦人科医の2割が加入する「日本のお産を守る会」が通知変更を求めている。
一方、日本産婦人科医会は、助産院での出産トラブル発生から、助産院の嘱託医と嘱託緊急病院の届け出義務を求めて、現在厚生労働省が新たな通知を発出しようとしている。現在は嘱託医の確保が求められているにとどまる。
もしこの通知が出されると、開業医でも対応できる嘱託医はともかく、ただでさえ日常業務で追われている産科救急に対応できる病院を助産院が確保しなければならず、助産院の維持すら難しい地域が出てくるかも知れない。付随的に、助産院がほんとうに受け入れてくれるかどうかわからない産科救急に対応できる病院に嘱託料も払わなくてはならないという課題も出てくる。開業助産院に対する圧力となってくる。
産科病院が減少していて、どこでもお産が思うようにできないという問題を抱えている。産科医業界が、自分たちに甘く、パートナーを組むべき助産士業界に厳しく対応している限り、産科医不足の悪循環構造は断ち切れないのではないか。
「日本のお産」を守るには、日本伝統の助産士による出産と、医療的なお産とのベストミックスを探っていくことが必要で、産科医業界による自分たちには甘く、助産士業界には厳しくということでは、なかなかベストミックスが実現しない。ベテラン看護士にお産の判断業務の一部をさせたいというなら、助産士やベテラン看護士の能力を評価して、信頼する制度にしていかなければならない。助産士には規制して、身内の看護士には何でもさせるというのでは、バランスが悪いのではないか。
※助産士業界が戦後GHQによってつぶされた歴史は「オニババ化する女たち」に書かれている。占領政策を比較的肯定的な私でも、自動車優遇政策と産婆の否定は間違ったものだったと思う。
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