3/14 県議のビラほぼ出そろう
県議選のちらしが各陣営から入ってくる。共産党だけが入らない。やっぱり東京都であった共産党ねらい打ちのマンションビラ配布摘発(無罪になっているが)が効いているのか。
田辺、星野、神谷、醍醐の各陣営の書いてあることを比べる。
ビラの体裁や色遣いは星野がいい。田辺、神谷はいいとは言えないが、いつもと同じなので、スタンスが安定しているとも言える。醍醐(民主号外で出ている)があまり良くない。和光の菅原市議以外の県議候補たちの写真(ヘアスタイルかな)も悪くて、時代劇のエチゴ屋一派という感じがしてしまう。
情報量では、田辺、神谷、星野、醍醐の順。醍醐氏のビラは政策スローガンが書いてあるだけで、中身がわからない。星野氏は情報が多いように見えるが、内容は朝霞市議会の最大会派(保守系)進政会の採決行動を自分の実績として書いているにとどまる。神谷氏は保守系のオーソドックスな内容。分量も書き方も適切。田辺氏は多すぎるかも知れないが、正しいことが好きな支持層が求めているならこういうかたちでいいと思う。
スローガンの妥当性だが、各種団体から推薦をもらって政策協定を積み重ねている神谷氏の「誠実に神谷は働く」は順当。田辺氏の「県政が遠すぎる」という問題の投げかけはわからんでもないけど、地方分権が進むこの時代に県政が近くなることはあるのか(私はこの地域が埼玉県にあること自体に無理があると思うが)。星野氏の「暮らしをかえる」というのはいいが、個別政策が御用聞き的な内容ばかりなので、政治を変えるんじゃなくて、信号や電柱の位置を変えるということなのかと思う。醍醐氏は「信頼と連携」、上田知事の直系の候補ということを意識すれば妥当。
政策内容にけちをつけると、神谷氏はJR武蔵野線新駅実現。宮戸の土地持ち仲間が喜ぶのかも知れないが新駅は武蔵野線の速度を落とすことになると思う。何より速く県内移動ができる武蔵野線を遅くしないでほしい。田辺氏はてんこ盛りだが、県議に出るにあたっての特色は県議会議員の報酬批判と基地跡地を県立公園になど。県議会報酬は確かに高いかも知れないが、政治家一般の報酬についてどの水準が妥当なのが明示すべきだろう。全国的に見ても報酬の低い朝霞市議の質はどうなのか聞いてみたい。公園については、全国の都道府県の中でも財政状況の悪い埼玉県が財政力のよい朝霞市のために公園用の土地を買うことは優先順位として低いはず。また自分たちで使いたいと手を挙げた自治体が考えに行き詰まって支払を県に回すことは朝霞市の自治能力が疑われる。醍醐氏は何がやりたいのかよくわからない。民主号外の発行主である神風代議士の格差社会への怒りと生活維新という政策主張だけが伝わる。評価不能。星野氏は老人保健の自己負担軽減と基地跡地利用の県頼み政策が良くない。基地跡地のことは公園にという田辺氏とちょっと違うが、県のお金をあてにしているところが同じく問題だ。病院にという含みも持たせているが、朝霞市で救急病院が2つもあるのは過剰で、病院が患者を発掘することになる。そうすれば市の国保財政の財政悪化を招く。また本当に必要な産科などで担い手確保ができるかどうかもあやしい。
老人医療費の自己負担軽減は美しい話たが、その前に老人医療費全体を抑えて健康な高齢者を増やす政策について議論をしないと、星野氏の主張では負担は若者の払う医療保険か税金に押しつけられるだけだ。
ビラで見せている人物像では、神谷氏が保守の中心的な位置にいるというアピールに成功していると思う。星野氏は苦労人かも知れない、と思えるような表現に成功していると思う。田辺氏は市議会での「質問量トップ」が売りになるはずだが、あまり出ていないのが残念。醍醐氏は経歴しか伝わらない。「奉職」というのが公務員特権意識を自覚していないのか。
●選挙にあたって言論でやらなければならないのに、ビラ配布規制が強すぎて(公選法ではビラの存在そのもの、配布手段については刑法なども)、まともに言論で政策比較をして選挙をすることにならない。地方選挙では個人名の入ったビラが配布できない。わずかに公約を担保できるのは選挙公報だけだ。候補者だとわかるような幟やたすきはもちろん、名札すら規制されている。
その代わり、電話かけ、団体主催の集会などは青天井で、政策ぬきのコネクションワールド、利権人脈の選挙は甘々のルールになっている。まだそれでも地方に行けば団体推薦をめぐって議論があったり葛藤があって、曲がりなりの民主主義が機能しているが、東京圏のようにマスコミでしか民主主義に接しない人だらけの土地では民主主義が機能していないと言ってもよい。民主主義の基本にある一人ひとりの主体的な判断を期待できるような選挙の仕組みになっていない。
●で、県議って何のためにあるのか政策から伝わってこないし、何で県議になりたいのかも伝わらなかった。そもそもこの朝霞市にとって埼玉県って必要なの?という疑問に、マニアックな答え以外にまともな答えがない以上、県議って言っても利益誘導や公共事業に関心のある人でない大多数の市民には選ぶ基準がわるわけではない。
だって市外で働く人の3分の2は都内で働き、生鮮食料品以外の買い物の半分は都内に流出しているんだから、ほんとうは都政が変わることの方が県政が変わるより影響が大きいと思う。埼玉県民であることでバカにされることの方が多い。トクしているのは住宅費ぐらいか。それでもそれ以上に保育料は高いし入れないし、教育水準には難があるし(それなのに大学進学率が急上昇したから事情はややこしい)、県全体的にマンション住民だから母子家庭だから何だからと嫌な思いをさせられることが多いし、その自己負担分を考えると差し引きやっぱり損かも知れない。県庁と都庁とどっちの方が行ったことがあるか市民アンケート取ってみたら、その身近さは歴然としているんじゃないかと思う。朝霞市を東京都に編入することを公約に掲げる県議がいたら、真っ先に投票するけどなぁ。
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