2/26 政府予算から我が町の福祉を考える
ここのところ凝っていること。政府予算の厚生労働省の概算要求から人口割や施設割にして朝霞市にどのくらいお金が降りてきそうか、それに見合う仕事を市役所がしているかどうか、検証する作業をしている。
作業の目的は実につまらなくて、(たいした福祉水準でもないのに)福祉にお金を使うと財政破綻をする、というどこかで聞いてきたようなことをオウム返しにしゃべる人たちに反論する材料をストックしておくため。
そういう俗論を言うひとには市の財政の中身についてよくよく調べてほしいと思っている。保育所や介護施設1つ作るお金を駅のひさしに散財してしまったり、保育所や介護施設を1つ運営できるお金をクルマを持っている人しかいけないような温泉施設(昨年から休止)の赤字補填に使われている。あるいは入札結果を見ると、びっくりするぐらい造園業者にお金が使われていることもわかる。
この概算要求からのひきなおし作業がまた自己目的化してきて、予算案から、1施設どのくらい補助金が出そうとしているのか、どのくらいの人を雇おうとしているのか、そんなことを考えながら、朝霞市の施設数や、利用者数、該当する市民の数なんかを計算していくことが面白い。
朝霞市の傾向として、総じて、国が出している水準より福祉水準が低い。私の得意分野は、保育所。朝霞市の人口に対する全国の人口の比率で割り返すと、保育園入所者数が1930人いないと平均的水準ではないが、来年の仲町保育園の開設してようやく保育所入所者数が1380人。450人程度少ない。地方交付税の児童福祉費は平均水準で計算されているので、450人分は浮いているお金と言える。ただし380人については家庭保育室に入っている人への利用料補助金が市独自で出していて、これが中低所得者に対しては他市より水準が高いので差し引くと、実質ピンハネは70人分となっていることがわかる。
公立保育園の延長保育の国庫支出金は地方交付税措置なので、朝霞市のような不交付団体にとっては、事業をやっても収入が増えない(ちなみに朝霞市立の保育所の延長保育は厚生労働省の定義する延長保育とは言わない)。だから公立園では延長保育が控えめにしか始まらないのに、民間認可園では積極的に始められることになる。延長保育について、親が親たれみたいな観念論を押しつけられ、罪悪感を植え付けられる。しかし、本質的には自治体がお金を出したくないのが本質の話なのだ。
こうした基幹的福祉サービスについて不足が目立つ中で、後発の福祉サービス、たとえば、子育て支援センターなどは平均より1.5倍ぐらい高い水準で整備されていることもわかる。遅れた基幹的福祉サービスを整備するために、抱き合わせで厚生労働省の新規事業に飛びついたためと見られる。
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