2/18 自分の思いをかたちにして保育園を作った園長さんの話を聴く
次世代計画の推進委員会のワーキンググループが始めた子ども子育て連続講座の2回目を行う。
きょうは、朝霞市で保育所としては30年ぶりに社会福祉法人立の保育所を始めた、朝霞たんぽぽ保育園の園長、大島美弥子さんの話を聴く。
今回大島さんの話を聴くことにしたのは、無認可保育所からハードルの高い認可保育所を設立した情熱やそのときの苦労話などを聞き、その情熱の背景にあるものに触れたいと思ったからだ。
私自身、労働組合で保育政策を担当していたときに、保育所の民間企業参入を始めとした、最初の一連の規制緩和の対策に追われた体験をした。そのときの攻防戦の読みでは、質にこだわる無認可保育所が、認可を取得して公的関与のもとに運営が行われるようにしていくことが規制緩和の落としどころだと考えて、必要な規制緩和、やむを得ない規制緩和、認めない規制緩和と整理して対応してきた。そんな思いから、朝霞で無認可保育所から認可を取得することが進んでいくことに期待をしていたなかで、それをやったたんぽぽ保育園にずっと注目していて、いつか園長さんと話を聞きたいと思ってきた。また、知人、友人がみんな大島先生がいい、と言うので、会って、聞いてみたかった。
大島さんは、香港日本人学校の幼稚園教諭や、駄菓子屋の経営、障害児保育の保育士などを経て、1999年に市内に認可外保育所を設立した。自分がやりたいと思うような保育を始めてみたが、定着する専門職としての職員の待遇を確保することがとっても大切と痛感して、さらに2005年に認可保育所、社会福祉法人「朝霞たんぽぽ保育園」を開設する。
民間認可保育園が1園以外すべて市立保育園しかなかった朝霞市で、保育の質を問い直したい気持ちもあって、ここまでがんばってきた。公立園ではなかなか経費に裁量権がなくて、絵本やおもちゃ、食事などに力を入れられない。そうしたことに民間認可園を開設することで一石を投じたい気持ちがあるという。
今の保育園では、保護者と保育所のコミュニケーションが目詰まり起こしている、ということに問題を感じておられた。参加者のなかにいた市立保育園に通わせている保護者から、今の市立保育園では、事故でもない限りお迎えのときにほとんど保育士と会話ができない、子どもへの怒り方に問題のある保育士がいる、など報告があって、子育てという連続性のあることを、共同でコミュニケーション取ってやらなければ意味がないじゃない、と大島さんはコメントしていた。待機児童問題が一定の解消段階に来た今、数字にも報告書にも出てこない、こうした中身を問い直すことがとても大事な段階に入ってると思う。
上尾の保育所の保護者会の役員さんも参加されて、一昨年の死亡事故のことなどの報告から、死亡事故を通して保育所のコミュニケーション不全になっている状態がわかってしまって、今でも心配で仕方がないと報告していただいた。大島さんは、保育所の事故防止は目配りは当たり前としても、チームワークが大事なんだと力説されていた。
終わったあと、仕事のほとんどにコンピューターが介在するこの時代に、保育って人間どうしの仕事はうらやましい、とお話したところ、人間どうしってトラブルも多いけど、誠意をもって関われば、何かが必ずうまれる。そんな仕事はいい仕事だ、と言われていたことが印象に残る。
次回は5月ごろ、そこから2ヵ月おきに。テーマは、10代、ファミリーサポートセンターの展開、子育て支援センターの本当のねらい、などが候補。
一般参加者のなかに、私のブログを読まれている方がおられて、どきっとした。
| 固定リンク
コメント