« 2/17 サラリーマン、地域の子育てについて議論を重ねてきた | トップページ | 2/18 自分の思いをかたちにして保育園を作った園長さんの話を聴く »

2007.02.17

2/17 市議会は議員の賛否ぐらい公表してはどうか

統一自治体選挙(というと系統がわかってしまう)を控えていろいろな動きがおきている。政治の近くにいると、このそわそわした雰囲気というのが、政局になったり、政界再編成になったりするんだろうなぁ、という感覚がある。
で、そのへんなそわそわ感にふりまわされると、意外となんて事のない変化のない日常が続いたりしていたりもする。

それはさておき、自治体議会改革フォーラムという団体が、面白い調査をやったようだ。討論する議会か、市民が発言できる議会か、公開が十分な議会か、3つの切り口で調査をしている。

議員同士で責任をもって討論するかどうかの設問について、していると回答しているのは全国で7自治体のみ。市が1つ、あとはみんな町村。他は執行部に質問だけしかしない議会ということらしい。大半は、議員どうしで政策討議して結論を出す作風がなくて、行政権が一方的に提案したことをベースに議論をする議会だということだ。

市民も参加できる議会かどうか、ということで、請願を提案した市民が議会で提案主旨を説明できるか、ということと、公聴人、参考人制度を利用しているかどうかという質問で、請願の提案した市民の説明の機会は全国で3割前後、公聴人、参考人制度は、都道府県、政令市、23区では過半数だが、その他の議会では2割。私も、札幌市の地下鉄バスの運賃値上げの議案で参考人として発言したことがある。当時はなかった議員インターンみたいな体験をさせてもらった。

積極的に情報公開をしているかどうか、ということでは、傍聴人への資料提供、議員個人の賛否の公開、議会の住民向け報告会をやっているかの3項目を調査しているが、傍聴人への資料提供がまずまずだったのに、議員個人の賛否の公開は1割にも満たないし、報告会は6自治体(いずれも町)しかやっていない。

議員個人の議案の賛否を公開しないという自治体が9割以上もあるということは論外だ(もちろん朝霞市議会も)。選挙が政策をたたかわせて議論され有権者との公約で選ばれるとするなら、議案に対する賛否が十分に公開されなければ、それまでの議員活動を検証しようもないと思う。議員が賛否を報告することは、税金を申告し選挙で投票する有権者に対する最低限のマナーではないだろうか。
また、議会の無責任化にも手を貸すことになる。議案の賛否に関して有権者を無視した判断が行われることが常態化するのも仕方がない。だから行政も市民も議会を通すと話がおかしくなると、議員を敬遠して手を結ぶようなことが起きてくる。
時折、政策中心で活動している議員は、有権者へのニュース等で、議案への賛否状況について報告している。しかし、そこには会派名しか書いておらず、朝霞市のように公明党と共産党以外はほとんどすべての議員が選挙では無所属の場合、誰がどの会派に所属しているのか、市役所に行って調べないとわからない。また、ひどい議会では、議員の発行するニュースで議案に対する賛否状況を報告したら、懲罰かけられた議員もいる(幸い朝霞はこれで懲罰になるようなことはない)。

朝霞市議会はどうかというと、議員同士の討論、市民の意見表明、情報公開の3項目とも×。傍聴人に資料提供もしなければ、賛否状況も当然報告はない。市の広報に議事録要約が出ているが、誰の質問なんだか何一つ報告がない。市の広報を読む限り、愛郷心がどうしただの、質問の水準に難がある。下らない質問しても議会外の誰にも突っ込まれないからだ。
近隣の、新座、志木、和光の市議会は大半の議会がそうであるように、情報公開だけ△だったので、傍聴人への資料提供か、議員個人の賛否の公開ぐらいはやっているんだろうと思う。

行政が、私のようなうるさい市民にあれこれ批判されながら、市民合意、市民参加の形成に苦心しているのに対して、議会は自分たちが全権をもって市民を代表している顔しているだけという状況だと言われても仕方がない。
そういう中で、議会の存在感の低下と、議会の質の低下と、公選職の待遇の悪化は悪循環でつながっていると思う。そういう意味で市民合意、市民参加、そのためのインフラとしての情報公開の手法を議会も取り入れないと、ますます市民から遊離し、市民は議員を飛び越して役人とばかり結びつくことになる。地方議員には、口利きしか話が来なくなる。
日常はそれでよいが、市民同士が対立するような重大な案件がおきた場合に、自治体の危機となってくると思う。夕張市はまさにそうした結果だったのではないか。

では朝霞市だが、個人的には、11月下旬にある次の市議選でどのくらい投票率が低下するか、とても関心がある。もうここ20年、市民の数が増えても37500人しか投票せず、分母がふくれるだけ投票率が下がり続けてきた。議会が何をやっているかわからない、議会が何に役に立っているかわからない。広報読んでも誰が何しているんだかわからない、議員個人がニュースもほとんど配られない、顔入りポスターも貼られない、投票所言っても公明党と共産党以外は政党名も書いてない、投票したくても判断しようがないし、誰が誰だかわからないもの。投票率が上がる理由は何一つない。それで安住していられる人が多いんだけども。そういう状況を打破するためには、今回の調査のような切り口で議会を評価することは大切なきっかけだと思う。

|

« 2/17 サラリーマン、地域の子育てについて議論を重ねてきた | トップページ | 2/18 自分の思いをかたちにして保育園を作った園長さんの話を聴く »

コメント

賛否は議員ごとにはっきり公表すべきですね。
とにかく、知りあいだとか、頼まれたからという理由で投票する背景に情報の少なさがあります。そして、財政が悪くなると市民は自己責任みたいなことが言われます。
もちろん、情報公開する議員を選べない市民の罪もあるのですが、やはり、商品の説明なしにセールストークだけで買わせる仕組みはもうやめた方がいいです。

投稿: takeyan | 2007.02.27 23:48

お忙しいなか、コメントありがとうございます。
商品の説明なしに売りつけられる商品が、良い商品になるわけがないという論理はとても説得力があります。
中身がいんちきなのに、ラベルに「自然派」「天然」と書いてあれば体にいいと誤解させるような商売に似ています。

投稿: 管理人 | 2007.02.28 00:35

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 2/17 サラリーマン、地域の子育てについて議論を重ねてきた | トップページ | 2/18 自分の思いをかたちにして保育園を作った園長さんの話を聴く »