2/13 制度改定に関する正しい認識
板橋区保健福祉オンブズマン室にヒアリングに行く。
福祉オンブズマンについてインターネットで調べていたとき、一番目に出てきた。ホームページの資料性も抜群だし、こう言っては難があるが、人権意識が高い住民がとりわけ多い地域でもない板橋区ができている制度なら、朝霞でもできる可能性になると思ってヒアリング先に選ぶ。東上線沿線どうしの親近感もある。
区の担当者は、社会福祉基礎構造改革や、社会福祉法改正を明確に意識して、制度の創設や運営を図ってきたと説明した。苦情があるかないか、予算があるかないか、ではなくて、選ぶ福祉、自己選択自己決定の福祉に移行し、かつ事業者の参入規制も緩和した福祉制度に変わった以上、こうした苦情対応機関は絶対に必要だという認識がすばらしい。
事業者や議会、役所内がアレルギーをおこさなかったかと聞いたけど、ないと明快な答えだったのには意外な結果だった。役所内や議員さんは、こんがらがって本人も理解に不能になっているような苦情については自分たちでも手に負えないことが多く、専門家が冷静にときほぐして問題解決にあたってくれる福祉オンブズマンがあって助かっている事情もあるようだ。
予算は年300万前後で運営されているが、区の行政評価では3人の事務局職員の人件費も対象にされて、相談件数の割にコストが高いと毎度指摘されるようだ。しかし、同じ相談を弁護士に個別契約で持ち込んだ場合、果たしてコストはもっと高くかかるだろうし、区民40万人の数字でわり算すれば、福祉サービスの質の向上と、万一不利益を被った場合の安全コストを考えるとそんなにお金がかかっているわけではない。
板橋区のような行政評価手法が主流だと思うが、そういうやり方でやると、公的意義が薄くても市民にたくさん利用してもらえる施設や事業は評価が高くて、大事なんだけどもそんなに頻繁に利用されてはならないような行政の仕事は全く評価されない。ここは行政評価の難しいところだと思う。
オンブズマンで問題解決が終わり、一年間が終わると報告集がまとめられて、ホームページで公開している。これが民間事業者の適切なサービスのための資料になっているというから、副次的効果も高い。
●板橋区の最寄り駅、大山駅は橋上駅舎じゃなくて、階段が少ないまま電車に乗れる駅だ。こういう駅は身軽に使えていいと思った。橋上駅舎は負担感が強いと実感。
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