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2007.01.09

1/9 あんまり政治の話は繰り返したくないけど

佐藤優「獄中記」読了。彼を擁護し続けたのが岩波と産経というのが興味深い。佐藤優氏が獄中で読んだマルクス経済学の宇野弘蔵の著書を読みたいと思った。せっかくマルクス経済学の大学に行って、日共除名になったばかりの1年のときの担任(大学に担任があるとは思わなかった)の先生が、「宇野経済学にちょっかい出しているので一緒に読みませんか」と誘われたのに、斜に構えて断ってしまったことの不明を恥じる。宇野系右派の学者が、末期の社会党の改革運動に関わるし、今でも可愛がってくれる北海道の大学の先生も、このルーツにあたる。

●郷里の自民党国会議員が、迂回献金疑惑。定価のない情報誌を選挙区の企業に売りつけていたらしい。秘書が勝手に売っていた、って、変な話だ。政党以外に対する企業団体献金を全面禁止したことは、大きな流れとしてはそれでいいことだろうと思うけど、その前に、政治資金の透明性についてきちんと制度づくりをしてこなかったことが、切っても切ってもあとから出てくるヤミ献金や迂回献金、裏金なんだろうと思う。
実際、公職選挙法や政治資金規正法は、政治家と選挙事務所の会計が一体なのか別物なのか不明確だし、政治団体と政治家の切り分け、とくに政治家が拠出したお金が政治団体に貸したお金なのか、持ち出したお金なのか、そのへんの取り扱いも不透明だし、まして政治団体が借りたお金が返済されているかどうかなど報告から漏れても検証しようがないし、会計の仕事をしてきた人間ほど難解な制度で、どういうお金の動かし方が違法なんだか合法なんだかよくわからず、正直ものがバカを見るようなところがある。

●共産党が民主との選挙協力を全面否定。自民・公明・民主を孤立させる作戦だとか。逆に民主を護憲陣営に引き込まなければ、ただただ孤立させられるでしょうに。さすがは宮本顕治に可愛がられた志位くんらしい判断。
そもそも、共産党が地域で平和運動や護憲運動を乗っ取って、共産党以外の人たちが何議論しても提案しても結局は裏で行われる共産党員どうしの話し合いの結果でしか運動ができないから、平和や護憲に価値有りと思っている人が運動に結集しないんじゃないのかな。そうしたことを反省してもらいたい。

朝霞台の駅の前に共産党のポスターが貼ってあって、また「大増税許しません」という調子。
社民党・共産党が増税反対を叫ぶ(88年~90年)→世の右も左も社会を斜めに見ている有権者が税金を払うのをばかばかしい感覚になる(89~93年)→最初は「庶民いじめ」に抵抗している社民党や共産党に投票するが(89~95年)→だんだん無力だとわかる(91~96年)→そこへリアルに小さな政府論を唱える新保守主義の若手議員が公務員や生活保護受給者、果ては介護や保育を利用している人まで攻撃対象にして行革を絶叫する(93~01年)→あまりにリアルなので税金を払いたくないだけの有権者は社・共からこぞって新保守若者に投票し上位当選する(95~03年)→そんなムードのところにアメリカ金融業界の手先かも知れない小泉・竹中が現れる(01~06年)→小泉・竹中が本格的に社会保障をカットする。政治合意のとれやすいので母子家庭や障害者家庭など少数派から切る。(01~現在)、というのがここのところの政治の流れだったんじゃないかと思う。
今日の小さな政府への支持者を増やした最初のきっかけは、左翼政党のすべての増税に反対する態度だったのではないか。共産党は社会保障のツールの多い大きな政府を目指しているのか、税金による収奪を恐れる小さな政府をめざしているのか、スタンスを明確にすべきだろう。税金は払いたくないわ、公務員を減らすな・社会保障を切るなでは、いくら支出に甘いといわれるケインズ系の人間たちも、共産党の主張など相手にする価値もない。

今は大増税に反対するよりも、大企業だけの減税を批判したり、若者からの富の収奪を促した政策を重点的に批判し、それこそマルクス主義の十八番である、労働者を食い物にする社会のありようを変えるという原点を共産党はもっと主張した方が伸びるんじゃないかと思う。余計なお世話かも知れませんが。

●同じことが、無党派の市民派議員グループがやっている議員特権批判の運動にも言えると思う。最初は永年議員表彰制度とか、無意味な制度の批判で問題ないと思うけども、今時の有権者は原価感覚があまりないから、何においても安ければ安いほどいいと思うから。そうなれば、日当、費用弁償から入っていって、そのうち調査費や、議員報酬本体まで批判の対象になっていくんじゃないかと思う。
保守系の大物議員たちが狙っているように、地縁血縁のないような人や、政治錬金術に長けていない人の政治参加は、財力からそもそもできなくなってくる。そうなれば政治が20年前に逆戻りする。財政的問題で労働組合が政治活動力を低下させているから、普通の人の政治参加という点ではもっともっと前に戻る可能性がある。そこをわかって市民派議員たちは運動をやっているのだろうか。彼らの中での正当な報酬と特権との線引きが不透明なので、不安を感じている。

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コメント

西村有史氏のブログでもよく取り上げられていますけど、殊に現場の人間に報酬出すのに厳しい眼が行っている気がしますね。その割、優秀なエリートに幾らでも特権を与えるのはどれほど問題になってるんでしょうかね?よく「少数精鋭」って言葉が持て囃されてますが、これって行き着くとこ少数化等の特権専制になるのでは・・・・・!?!?

投稿: 杉山真大 | 2007.01.19 17:53

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