1/29 筋がちがうよ
●JR東日本のテレビコマーシャルで、踏切事故ゼロ運動が流れていた。
クルマに対しては、踏切事故をなくそうと、税金使ってまで立体交差事業をやっているのに、JRにお金を払っている利用者がホームから転落することには物理的対応を取らない。ホームドアを設置するとホームが狭くなるとか言っているけど、ホームの隅は今だって危険で歩いたり、電車を待ったりしないようにしている。
それにしても最近、踏切事故が多い。踏切につっこんでしまったり、電車の止め方を知らいのか。最近のドライバーは。それから、ときどきステレオの音が大きいクルマがある。警報音が聞こえなくて、救急車につっこんだりする。踏切の警報音もたぶん聞こえないだろう。クルマのステレオ、規制した方がいいんじゃないだろうか。
●安倍首相が代表質問の答弁で、教育改革について「すべての子に、必要な学力をつけるため」と授業時間の延長やゆとり教育の否定をした。「すべての子」と前提にしたことは、障害児も当然含まれるのだろうね。そうであるなら文部行政史上、画期的な答弁である。アメリカではベトナム戦争に身を捧げた兵士の名誉のために障害者差別禁止法が成立した(そういう背景を知らないで障害者差別禁止=左翼とレッテルを貼って千葉県条例に反対して骨抜きにしようとした右翼議員たちは猛省をしてもらいたい)が、反動のミステイクの中から、差別解消が進むことをせめて期待したい。
●自民党の逢沢一郎議員が、宮崎県知事選挙で自民推薦候補への「応援をよろしく(公選法では投票依頼)」というメールを1000通送ったことで問題になっている。民主の鳩山氏は「とんでもない」と反応しているが、バカじゃないかと思う。この人はいつも無定見な政局反応しかしない。
メール規制の解禁は民主党がずっと訴えてきたことではないか。ここで民主党がとるべきは「メール規制なんて愚かな規制ですよね」と受け止め、公選法でメールによる投票依頼を解禁するよう、与野党合意に持ち込むべきだろう。どうしても資金力で劣る野党は、メールのようなローコストな選挙運動のツールを少しでも増やすのが得策だろう。人格者の逢沢氏に選挙以外で喧嘩しても、あまり意味がない。
●NHKの従軍慰安婦模擬裁判の番組がいろいろ話題になってきたが、模擬裁判の主催者がNHKの報道が歪曲されたと裁判に訴え、今日、勝訴した。そのこと自体は意義があるのかも知れないが、しかしこれは原告にとって得策だったんだろうか、と思う。NHKにしてみれば、安倍晋三にイチャモンつけられてまで作った番組が、取材してやった側からも訴えられたとすれば、こういう面倒くさくなる問題は番組にしない方がいい、ということになるだろう。
今は団塊の世代が番組づくりの現場を指揮しているから、左翼的話題も大切にしてくれるが、10年後、団塊の世代や左翼大嫌いな前原誠司世代が番組づくりを牛耳るようになる。そのときにこの裁判で受けたNHKの傷は取材拒否の格好の口実になるだろう。
イデオロギーの正当性は政治的合意で勝つことが大事なんであって、そのために運動をし、世論を動かして、政治家を動かすことが大事だ。イデオロギーの正当性は裁判所に認めてもらうものではない。そんなに偉い人に認めてもらいたいか、と思う。裁判所がいくら正しいと認めたって、模擬裁判の意義なんか国民にはちっとも伝わらない。そこを原告たちはわかっていない。
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コメント
以前私のブログでも紹介しましたが
ホームゲートまたはホームドアに京浜東北線等やドアや編成が統一されている区間なら導入が可能ではと紹介した覚えがあります
ホームドアがあれば転落防止だけでなく冷暖房の循環が良くなりエネルギー効率もいいんですよね
投稿: 如月瑞穂 | 2007.02.02 19:40
駅の環境を改善していくにも、ホームドアは有効だというのは同感です。高齢者が増えて、気温の上がり下がりに対応する力が弱い人が増えると、駅も何らかの対策が必要になると思います。
以前、全然畑違いの会合の席で、鉄道とエレベーター両方作っているメーカーの人と飲む機会があって、鉄道とエレベーターの制御の思想は共通なんだという話をしておられました。だったら安全管理や環境のとらえ方も共通になるんじゃないか、という気がしています。「ホームドア」のないエレベーター、考えられませんよね。もしそれで転落事故が繰り返されたら、メーカーの責任がさんざん問われますよね。
投稿: 管理人 | 2007.02.05 00:54