1/26 敵味方の峻別
家の向かいの古いケーキ屋さん、埼玉一古いパティシエのおじさんがやっている。オーソドックスなおいしいケーキが食べられる。買いに行くといつも奥の調理場で楽しそうに仕事をしていている。とってもうらやましい。
●長くほったらかしにしていた飯島勲「小泉官邸秘録」を読み始める。ハンセン氏病の和解という政治決断など、ボトムアップの組織にトップダウンの手法を持ち込むときのスタッフの作り方は勉強になる。また、小泉政権の影の部分を全然見せない話の持っていきかたがうまい。ハンセン氏病の控訴断念と和解以外は、私にとっては鬱陶しい5年間だったはずだが、この本を読むと、えらく小泉時代が良かったように見えてくる。それくらい今の政権が良くないのだろう。まあそれでも、やっぱりハンセン氏病への控訴断念と和解の政治決断が象徴しているが、障害者や女子どもを政治が差別取り扱いしてはならない、ということに関しては、確かに小泉氏ほどきちんとしていた人はいなかったと思う。
厚生労働省から官邸に呼び込まれ、この本の中によく登場する参事官の香取照幸さんは、私が今の労組に入ったばかりの98年の6月頃、未来の幹部を養成する連続講座の講師に来ていただいた。
香取さんは当時は厚生省の介護保険関係の担当の課長補佐だったと思う。私の勤める労働組合で当時福祉政策を担当していた役員や先輩職員が、香取さんたちと介護保険制度の導入に向けて精一杯仕事していた。
講演では、確か介護保険制度が先鞭をつける社会福祉基礎構造改革の進路みたいなことを話していただいたように記憶している。村山政権を政策シンクタンクのように支え、その後の民主党の結成に大きく関わるという政治の流れの中で、私たちの労組も、人権の観点から、保護してやる介護から、権利としての介護に一気に舵を切った。当時のわれらが労組は、社会福祉の改革の旗手として輝いていたし、そんな中に私が転職し飛び込んでいった。時代は時代である。
●角田義一参議院副議長が副議長を辞任と。仕方がないだろう。
一方で、民主党群馬県連では、主導権争いから金銭スキャンダルによる理念無き内部抗争に明け暮れてきたというし、今回の角田氏の問題もその中で表沙汰になったようだ。不正は身内であっても糾すべきだが、どうもまた群馬の保守二大政党を志向する「若手議員」予備軍が利敵行為をしたのではないかという疑念がわく。2ちゃんねるでもずっと上位にこの話題がランクされるようにしつこくしつこく書き込みが続いていた。いやな感じがしていた。
「若手議員」は少しでも左よりな意見を言うとしきりに民主党が旧社会党のようになる、と批判するが、旧社会党が沈没した理由は、イデオロギーの面の問題もあるが、党内の敵を倒すために自民党やマスコミと結びついて利敵行為を行ってきた身内の弊害が大きい。「若手議員」のこうしたスキャンダル暴き依存体質こそが社会党の失敗の轍を踏んでいると思う。
●社民党が東京選挙区に候補擁立。野党系が乱立気味で結果が心配である。たぶん社民は当選しない。民主左派や川田龍平の足を引っ張るだけになると思う。そうなれば東京の社民党の政治的位置は完全に孤立するだろう。何のメリットもない判断である。川田龍平に乗っかって、むしろ彼と思いを共有する社民党という絵が描けなかったのだろうか。社民党の独自候補擁立で、公明、自民、民主右、共産は指定席になったと思う。あと一議席を、民主左、革新系無所属、社民という似たものどうしで足を引っ張ることになる。助かったのは共産党。自民がもう一人出しても当選できる可能性も出てきた。そうなれば、公・自・民主右・自・共産という結果になるのではないか。
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