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2006.12.09

12/9 日本の公教育がバカ国民を製造する

教育再生会議が、公教育に「徳目」「規範意識」「友情」「親孝行」「奉仕の精神」「規範意識」を身につけさせることが必要と報告することになりそうだ。また、「地域に伝わる伝説や童謡、言い伝えなどを学校で教え、国や地域の伝統を尊重する心を養うとしている。また、郷土の偉人について学ぶ機会を増やし、子供の郷土への関心を高めることが重要だ」とまとめている。

ああ、うざい。誇れる郷土もない地域の人はどうするんだ、という疑問も起きる。それとともにニート・フリーターを大量生産して、若者を搾取するこの国に、自尊心や愛国心や愛郷心を押しつけられるのか。
地方政治を見ているとわかるが、郷土愛というのは、地域の進歩を妨げる勢力が、何とか地域を良くしようとする人を抑圧するために使うロジックだ。古くからきた俺らに無条件で帰依せよ、という意味で、「この街大好き」「郷土愛」を使うのだ。愛郷心や愛国心に魂がこもれば、地域のもつ桎梏や矛盾に気付いたときに、既存の秩序を破壊し、革命が起こされることも可能性に入れるべきだろう。私は社会思想史を学ぶ中で、革命家の愛国的な態度を学んできた。毛沢東の最初の妻が、中国共産党の指導するストライキを冷やかして参加しない青幇の港湾労働者(日本では山口組に組織化された港湾日雇労働者のようなもの)の前に、指を切って白布に「熱烈愛国」と書ききり革命の隊列に組み入れる話で涙したが、青幇の港湾労働者にしても毛沢東の妻にしても当時の中国社会では反秩序、反体制そのものだった。

放課後まで学校社会に子どもを縛り付け、各地で学童保育の質の低下をもたらしている「放課後子どもプラン」についても言及されているが(もっというと専業主婦の子育て逃避支援政策とも思える)、オリンピック選手の講演を聴かせるなんてメニューも盛り込まれる。オリンピック選手のリサイクル事業に税金をもっと使えなんてゴメンだ。今でも教育委員会は、御用済みの芸能人やスポーツ選手を講師に立てて本題と関係のない役にも立たない講演会を何十万もの謝礼を払って主催てばかりだ。今以上に税金を食い散らかすのだろうか。過去の栄光にしがみついているような有名人が、聴衆と満足なコミュニケーションもしないまま話したいことだけ一方的に話して何の効果があるのだろうか。いい話を聞かせる→いい子になる、そういうインスタント食品的、コンビニ的、ファストフード的発想で子どもたちと接してきたことが子どもたちをダメにしているのではないか(どうせ小谷実可子あたりが思いつきで言っているだけなんだろうけど。支配階層に仲良くしている文化人たちが日本の公教育を憂いているような顔して営業活動やるのはたいがいにしてくれ)。

まぁ、戦後以来の教育改革がこんな調子では、ろくな公教育にならないのは目に見えている。公教育の信頼はさらに低下していくのではないか。同世代の目端の利く親たちは、いかに公立学校から脱出するかばかりを議論している。そのことにどうかと思いながら、質の低い教育改革談義を聞かされていると、その親たちの気持ちがとってもよくわかる。
教育の知的水準を問わずに、観念的な徳目を並べて教育改革をやっても時間の無駄遣いになるだろう。バカ国民を製造するだけになる。バカ国民として無謀なことをせず従順に生きよというメッセージなのだろうか。
徳目だの規範意識だのが必要だとしても、それは人と人とが関わる社会があってこそ自然に身につけていくものでしかない。学校なんて同質社会の中で耳学問で身につくとは思えない。子どもや目下に徳目だ規範だという奴が、回りに気を遣わずにたばこをプカプカ、吸い終われば吸い殻ポイなんて光景は珍しくもない。

教育再生会議、「徳目」「規範意識」必要で一致
 安倍首相直属の教育再生会議(野依良治座長)は9日午前、前日に引き続いて都内で審議を行い、学校教育を通じて「奉仕の精神」や「友情」「親孝行」といった徳目を身につけたり、奉仕活動などを通じて忍耐や働く大切さなどの「規範意識」を身につけたりする必要があるとの考えで一致した。

 1月にまとめる第1次報告に盛り込む考えだ。

 徳目を身につける具体策として、地域に伝わる伝説や童謡、言い伝えなどを学校で教え、国や地域の伝統を尊重する心を養うとしている。また、郷土の偉人について学ぶ機会を増やし、子供の郷土への関心を高めることが重要だ、とした。

 家族への感謝の気持ちを確認する機会とするため、「家族の日」の創設を提案する方針だ。多くの委員からは「国民運動として家庭教育の再生に取り組むべきだ」などの声が出たという。

 学校のルールを守らない生徒を「出席停止」処分とすることについては、「教育的見地で使うなら認めるべきではないか」との前向きな意見の一方で、「使うべきでない」とする意見が出た。

 2日間の議論では、学力向上のため、授業時間の増加を含む「ゆとり教育」の見直しに取り組む方向を確認した。

 公立小学校で児童を放課後に預かる「放課後子どもプラン」事業の具体的内容として、子供の情操教育に役立てるため、演劇や地域の祭りへの参加、五輪選手の講演といった案が示された。

 再生会議は、放課後子どもプランを来年4月から全小学校区で実施させたい考えだ。安倍首相も「全国展開のための予算は来年度予算で確保したい」として、積極的に取り組む考えを示している。
(2006年12月9日13時13分 読売新聞)

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コメント

お久しぶりです。
所用でパリに行っておりましたが、高校の修学旅行生が多く訪れているのにびっくりしました。
ネットで調べますと、今や公立高校でも海外への修学旅行は珍しくないのですね。
若いうちに「見聞を広める」目的で、海外に行くというのは悪いことではないでしょう。しかし学校や親が「何から何まで子供にお膳立てをしていいものか」という疑問もあります。

別の観点から見ますと、「旅行代理店は、少子化で細り続ける修学旅行市場の客単価を上げるため、海外旅行という新たな需要を掘り起こした」とも言えそうですが.....子供を”市場”として食い物にし続ければ、いつか社会がしっぺ返しを食いそうな予感。こわ。

投稿: はちきん | 2006.12.12 09:07

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