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2006.12.03

12/3 念力ナショナリズムで北方領土は還らない

●北方領土の領有権について、学校教育できちんと教えろ、と高市早苗国務大臣が教員集めた懇談の席で発言したらしい。4島一括返還論を徹底せよというものだろう。政治の無能を教育に押しつけるのはいい加減にした方がいい。うんざりする。キャンペーンと署名と教育と口伝だけをやる戦後進歩勢力の平和運動を念力平和主義とネーミングした右派の人たちがいたが、今の時代は逆に、念力ナショナリズムというべきものが見られる。決議をあげたり教育で愛国心やナショナリズムを教えれば、きっとすばらしい国になって国力が回復する、という念力主義だ。こんなことやっている限り右派の衰退はそんなに遠くないだろう。

北方領土の4島一括返還論は、国際法上無理があるということは、「おバカさんかそれとも超策士か」をお読みいただければ多分概要がわかると思う。詳しくは、和田春樹氏や、佐藤優氏、木村汎氏などがそれぞれに書いているのでそれらを読むといいのではないだろうか。
北方領土の現実的利益って何か、それなしにイタズラにナショナリズムを刺激する教育をするのは江沢民時代の中国と同レベルだと思う。北方領土の資源は今のところほとんど貿易で獲得できるため、っ資源的魅力にとぼしい。開発できる領土としても、対岸の北海道東部がムネオの選挙区であるように、同じくらい公共投資が必要になる。現実的には、根室の漁民がロシアに脅かされず安全操業ができることが最大の目的であり、根室の目と鼻の先にある2島だけの返還論または2島の先行返還論が現実的な解決策である。
相手のある領土交渉で4島返還論である限り国境線の変更はありえず、根室の漁民の安全操業はほど遠く、ロシアの利益にかなった主張といえる。相手もなく、状況も見ず、政治家が自らの愛国心を証明するためだけに、無理な領土主張をするのは慎むべきだろう。

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» 北方領土は誰のもの [[晴]晴れの日もある]
素朴な疑問なのだが、北方四島に住んでいる地元の人たちは、どこの国に所属することを望んでいるのだろう。現地の人の大部分が、日本に属することを臨んでいるなら、日本は頑張らなければいけない。しかし、もし逆の意見が多いなら、それは尊重されるべきだ。... [続きを読む]

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