« 12/18 障害者保育を実施しない法的根拠を探してみる | トップページ | 12/20 社会のリスク管理としての予算 »

2006.12.19

12/18 実践論・矛盾論

職場で入手した「ILO87号条約批准の舞台裏」という講演録のパンフレットを読む。表紙に著者名として小沢一郎の側近で引退した元参議院議員「平野貞夫」と書かれていたので手に取ったものだ。世間の敵にされている連合の公務員労組の部隊「公務労協」での講演で、元気出せとハッパをかけてくれているのか、講演をそのまま起こした原稿なので少し読みにくいが、内容はとても面白い。
公務員労働者の結社の自由を認めるILO87号条約を、先進国入りしようとしていた日本がなかなか批准しないので、ILO委員長自らが調査団を率いてやってくるようなことがあって、1960年代後半は国際公約として政治問題化していた、その批准をめぐる政界のうちあけ話が主題だが、話はそこから、重化学工業から情報社会への資本主義の変質という時代認識から、良い社会をつくる公共サービスをきちんとつくれるのか、それともこのまま解体していくのか問われている、という内容。
参議院で共産党席のすぐ隣で一緒に座った角田参議院副議長に、野党の共闘の秘策について教えろと食い下がられて「民主党も、社民党も、無所属も1回共産党に入ったらどうですか」と大声で答えて、隣で聞いていた共産党の幹部に怒られたなんてエピソードの紹介も面白い。いままで共産党が社会党に秘密入党してきた事例はいくつもあるけども、逆に大挙して共産党に押しかけたら、共産党はどうなるのか。入党審査があるからはねられるだけかな。毛沢東の「実践論・矛盾論」がよいテキストだと言い、こんなことを言う。

ある社会ある組織が滅びるときには、滅ぼそうとする敵からたたかれ、攻撃を受けるほど敵のいうことを聞くことになることがあります。一種の組織の自虐性といいますか、そして滅びていく。抵抗していかないのです。政党のことをいうとなんですが、政治でもそういう現象があります。(中略)いいかげんな作成では今の権力パワーには勝てないと私は思っております。
率直にいいまして、今の民主党を含めまして、非常に乱暴な口を聞くと連合全体も含めてして、矛盾論でいう、現在の日本の主要な矛盾は何かという分析から始めなければならないと思います。そして、その主要な矛盾の主要な側面は何か、要するに本当の敵は何かということをきちっと認識しておかなければだめだと思います。

前半はいろいろなことに思い当たる。

小沢一郎側近なのに、もろ中道左派の神野直彦東大教授を最も評価していたのが興味深い。旧自由党というと松波健四郎とか、西村真悟とか、二階俊博とか(阪和線を下っていくなぁ)、野蛮なイメージが強い中で、平野貞夫さんは何か違うと思ってきた。神野教授について菅党首(当時)に推薦してみたところ後ろ向きだったというエピソードも気になった。

神野教授の考えていることについては、公務労協「良い社会をつくる公共サービスを考える研究会報告」によくまとめられている。

●中川昭一がまた酔っぱらって暴走している。アメリカが日本に原爆投下したのは犯罪だと公言している。被爆者が道義的に米国をそうやって責める分には何の不都合もないが、日米政府間では決着した話を犯罪として騒ぎ出して大丈夫なのだろうか。
一方で、裁判での敗訴を受けて原爆症被爆者認定基準の見直しを検討してきた厚生労働省の審査会は、何も見直さない報告をまとめた、というニュースが今日伝えられた。
原爆投下は犯罪である、と言い切るなら、原爆症被爆者は犯罪被害者と同等である。戦争時の国民の被害については自国政府が補償するのが慣習である。中川昭一が政調会長という重責にいて、原爆投下が犯罪と認めるなら、被爆者の補償について後ろ向きなわが国政府の尻を叩くのが仕事ではないだろうか。それなくして自らの安全保障の持論のために被爆国のナショナリズムや被爆者感情だけを利用するのはムシが良すぎるのではないか。

|

« 12/18 障害者保育を実施しない法的根拠を探してみる | トップページ | 12/20 社会のリスク管理としての予算 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/44442/13118186

この記事へのトラックバック一覧です: 12/18 実践論・矛盾論:

« 12/18 障害者保育を実施しない法的根拠を探してみる | トップページ | 12/20 社会のリスク管理としての予算 »