12/11 保守王国でも苦戦する自民党
誰も関心を払わないが、茨城県議会議員選挙の結果は興味深い。民主が6、公明が4、共産が2を取った以外は、ほとんど自民党か保守系無所属。全体から見れば何も変わっていないように見えるが、個々の選挙区を見てみると、変化を感じる。
読売新聞 茨城県議会議員選挙の結果
朝日新聞 茨城県知事選挙関連ニュース
都市部では、自民党以外の選択肢が定着しつつあるように思う。水戸市は、定数5に自民党が3人擁立したが、当選したのは1人。日立、土浦やつくばなど大きい都市で自民党が上位当選できていない。
県南県西部に多い1人区は、自民党と保守系無所属が争って、自民党候補がずり負けたパターンが多い。
茨城は、日立を除き、圧倒的に自民党が強い地域で、自民党が余裕で勝っていないということに何かを感じる必要がありそうだ。
また、同日行われた逗子市長選挙も大差で自民党推薦候補が敗れている。安倍政権になってから、対決型選挙となった地方首長選挙では、沖縄県知事選挙を除いて、自民党の成績が良くない。
そこで気になるのは東京都知事選挙だが、菅直人と田中康夫の名前が取りざたされている。菅直人擁立論をぶちあげている人は、東京の民主党から菅直人の影響力を取り去ろうとしている人でなはいかと思う。本気でそんなことを考えているなら、もっと違う話の出方をするはずだ。田中康夫についてはゴメンこうむりたい。長野で田中康夫を支えた人たちがその後どのようになっているのか考えると、とても担ぐ気にはならない。
●事務労働者から残業代制度そのものをなくす「ホワイトカラーエグゼンプション」が議論されている。労働経済とか労務管理とかそういう世界ではそういうものが「国際競争力」のチチンプイで「自然な流れ」なのかも知れないが、拘束性の高い賃金労働者をつかまえてカネを払わないと公言することになる。残業代を払わない社会は、人を効率的に働かそうというインセンティブが働かない。拘束したらしただけトクな制度は危うい。
もっとも、連合が席を蹴ろうとしてまで積み重ねてきたこれまでの議論で、20代30代の若年労働者の大半には適用されないような雰囲気になってきたが、それでもやっぱり、という話だ。そしてきょう、それをめぐる動きについて報道を見て感じたこと。
きょう、日本経団連は厚生労働大臣を呼びつけて、導入するように促した。大臣以下、国会議員、厚生労働省幹部がぞろぞろとついてきた。
一方で同じきょう、過労死の遺族団体が厚生労働省に制度の導入反対を申し入れをした。テレビの画面を見ると、年格好からどうみても係長級の人と、遺族が部屋に入るときにドアを押さえていた記録係っぽい職員2人で「陳情」として対応したようだ。
金儲けの話なら、厚生労働大臣がのこのこ出てきて、命の話をすると係長が同情するような迷惑なような顔して対応する、この国が何を国民に求めているのかよくわかるような映像だった。
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コメント
私自身は数年前まで行政の労働相談窓口で働いていましたが、中小企業を含め、大企業ですら残業代の上限設定や未払いが、数年前ですら厳然と存在していたのに「景気が回復期にある」という一方で制度的(法的)にこれを定めようとするのは、日本経団連を頂点とする経営者側が原始資本主義への回帰をめざしているのでは?と薄ら寒さを感じます。
同時進行的に議論されていた「労働契約法」も、使用者側に異議申し立てできる機関である労組の存在を根絶やし&機能不全に追い込んだうえで、低賃金労働者を大量生産しようとしているのではないかと思い、将来に不安を感じずにはいられません。
私の職場の組合でも「2007年は政治決戦の年」と役員は盛んに宣伝しますが、もはや政治の風頼みしか将来に展望を描くことはできないんですかねぇ…。
投稿: けんた | 2006.12.12 01:39
口を開くと選挙の話題しか出てこないような種類の幹部には、政治決戦なら多数派になる努力をしてくれよ、と思いますね。自分にも言えることですが、職場の派遣さん、パートさんにどんな関わりをしているのか、そういう人たちを敬服させて組合活動やるようになれば、政治をひっくり返すのはそんなに難しくないのですが・・・。
脱線から戻し、原始資本主義に戻っているというのは私も感じます。中国革命前史などを読んでいると(今もそういうところはありますが)、人倫をふみにじる労働があって、人が人を食うような社会になって乱れていきます。そんな危機感は日本経団連にあるのでしょうかね。
外国人労働者には女工哀史の再現みたいなことが起きています。携帯を取り上げたり、社外の人と会うとクビにしたり、ひどい話です。
投稿: 管理人 | 2006.12.12 20:04
こんばんわ
同じ北関東の私が住んでいる前橋市も自民党王国になっています
特にお隣の高崎市は・・・・
投稿: 如月瑞穂 | 2006.12.12 21:10