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2006.11.28

11/28 可視化できない差別 

●21日の毎日新聞の小林美希記者の話を聴き、24日に映画「三池」を見て、ずっといろいろ考えが止まらないでいる。そんな中、労働弁護をされている中野麻美さん「労働ダンピング」を読み始める。まえがきにこのような言葉が書いてある。

「格差も悪いことではない」という考え方は一般論として否定すべきではないのかもしれないが、問題は現代社会が直面しているのはただの「格差」ではなく、深刻な「貧困化」を伴うものであり、それがきわめて不合理な差別を含んでいるということにある。富める者の他方の極に生み出されている深刻な「貧困化」とは、いくら働いても自立して生きられない低賃金労働や、生活できる水準の収入を得るために死ぬほど働かなければならない長時間労働の拡大である。格差は努力した人としない人の違いだという人もいるが、貧困の極に追いやられる原因をそのように決めつけることはできまい。社会的な偏見や固定観念、慣行や制度によって生み出され、拡大再生産されてきた格差=差別は多く、働き手の自己責任に収斂させることのできない事柄に起因する。こうした差別は可視化されることがないため、なすくことは困難で、不利益をこうむる人たちはいつも自分を責めなければならない。

私は「がんばった者が報われる」というキメセリフの本質は「報われた者はがんばったこととみなす」という価値観にある、と書いてきたが、差別と指摘することに偏見が生まれやすいから言いにくいが、本質はやはり「差別」だ。ほんとうにがんばったことが報われているなら、そんなことわざわざイデオロギー化して宗教的な価値にしなくても済むはずだ。可視化しにくい差別を論証することが難しく、金で人の生活を左右できる立場の人間たちが、がんばったかがんばらなかったか、という指標にすり替えているのだ。

それと私がいろいろ地域活動をやらなくてはと思う動機でもあるけど、やっぱり生活のために働くことで1日が終わってしまう人って、社会から排除されている。地域でいろいろ関わっていると、そういう人たちへの想像力のない人がいることを痛感する。NPOや市民活動という言葉で間口は広がったけど、やはりまだまだこれから。中野さんは続いて、こんなことも書いている。

社会からの排除
政治や経済、社会のあり方を決める多様なシステムが複雑に機能しているのが現代である。政府の審議会、経済団体や業界団体、労働組合などNGO、NPO、PTA、自治会まで、議員を選ぶ選挙以外にもたくさんの政策決定プロセスが用意されている。しかし、生活のために働くことで1日が終わってしまう状態では、こうした社会のシステムから排除されてしまう。

働く人にとってのNPOや市民活動への現状の適切な評価だと思う。

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コメント

>社会からの排除
社会について考えたり行動したりできないように忙しくさせられている、という説が説得力を持つ瞬間ですね。

投稿: takeyan | 2006.11.29 00:29

私なりに福祉の作業所やフェアトレードを支援できないかとおもってこんなことを始めて見ました。
http://ameblo.jp/kattenikokoku/
今後、トラックバックなどもおくらせていただけたらと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

投稿: 村越 | 2006.11.29 03:25

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