11/10 政府税調も議事録非公開
規制改革会議で議事録非公開に味をしめたのか、教育再生会議でも議事録非公開、そして民主主義の原点とも言える政府税調まで非公開になったというニュース(朝日朝刊)。
非公開にすることで委員が自由に発言できる、ということらしいが、非公開の場で国民の監視もないところで税金の取られ方が勝手に決まっていくことは許されるべきことではない。野党はしっかりこの問題を取り上げるべきではないだろうか。
私は増税論者だけども、国民合意のプロセスをふまない増税はあってはならないと考える。議論を尽くせば絶対にある程度の増税は避けられないということの範囲だからだ。また、増税にも取られる場所、取られ方、それらに公正性が担保されなくてはならない。特定の業界や特定の金儲けだけ優遇されるというのは極力避けられるべきだろう。
所得税減税の打ち切り、消費税の増税、道路特定財源の一般財源化という、国民に対する不利益変更がこれからも予定される一方、賃金も払わなければ税金を払わない黒字企業にさらに便宜を図るような税制の変更を行おうとしている。政府税調の委員は、国から税金をもらって(それも公務員より高い年俸らしい)好きなこと喋ってくるのだから、やはりモラルの歯止めとして実名入りの議事録の公開は欠かせてはならない。
自由と責任とか、自由と義務とか、権利と天秤に何かを押しつけるのが好きな体制寄りの人々。それなのに自分たちは不透明の議論をして、免責だらけの世界で好き勝手やろうとしてるのが全く腑に落ちない。
●藤原正彦とかいう、貧相な数学者が教育改革の議論でもてはやされているらしい。「国家の品格」なんていやらしい名前の本を出しているし、武士道精神の復活と提言されているという。
お金がもったいないからこの本は読まないが、安易な武士道精神の強要は良くない。そもそも武士道精神なんて、武士が社会の少数派だったから可能なことだ。今の日本人でも、江戸期の武士階級程度の割合の人は立派に武士道精神らしき立派なモラルで生きている。武士道精神の高揚を訴える人って、結局は自分が武士道精神を身につけている人だと信じ、およそどう見ても武士道精神を失ったような人を見て精神的高揚感を得るための議論しかしていない。
武士道精神などという観念から生まれる精神主義は、多くの人には通用できないのが現実だ。そのために法や、共同作業、祭などを通して、共通理解をもとに人間は社会を形成してきたのではないだろうか。いたずらに庶民に武士道精神を押しつけるのは、明治維新のミステイクをいつまでもひきずっているとしか思えない。
さとう珠緒がバカじゃないなと思ったのは、この書評。ダビンチ・さとう珠緒のバカブックガイド。国家の品格についての評論です。
●助産所仲間?のブログで義家弘介氏の日和見(ヒヨリミ~)主義ぶりを適切に書かれています。共同合宿所・教育再生あれこれ。社会派ぶるヤンキーって信用ならない。ほんとうに役に立つ元ヤンキーって、もっと自分の過去に謙虚だったと思い返しました。
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コメント
リンクいただきまして、大変恐縮です。
さて、”国家の品格”。内容は知らなかったのですが、ここでご紹介のさとう玉緒さんの書評で輪郭がよく見えますね。書評読んだ瞬間、「なんだか、つくる会っぽいなあ」と思って検索したら、案の定、つくる会のHPで国家の品格が推薦図書となってました(笑)。しかも検索した際に、”万世一系と国家の品格”というタイトルでの寄稿を発見、ことごとく、こういう人の思考パターンというのは決まっているのですね。まあ裏切ってくれることがないというか。
投稿: 御神崎 | 2006.11.11 00:57
さとう珠緒の書評、読みました。
結論。いいね(笑)。
たったかたー♪と読めました。
たったかたー♪とか、
ぽんぽんぽーん♪と読めるってのは、
文章の重要な要素の一つだと思う。
面白かったです。
投稿: たけし | 2006.11.11 04:07
さとう珠緒氏、意外に頭いいんだとわかりました。今までの偏見が裏切られて、ファンになりそうです。
>>御神崎さま
簡潔で私が言いたいことをうまく表現していただいたので、ご紹介しました。
>>たけしさま
いい文章かけるようになりたいものです。
投稿: 管理人 | 2006.11.11 09:56