10/7 羽生市のタクシー会社、免許返納者に1割引
●羽生市のタクシー会社は、運転免許を返納した人のタクシー料金を割り引くサービスを始める。
警察に運転免許を返納して、その証明をもらえる制度がある。その証明書を見せれば割り引くというもの。高齢者のドライバーは、自覚する運転能力の低下や、家族の諫言で運転をやめたいと思いながらも、実際にこれまでマイカー利用して生活してきた便利さを捨てることはなかなか難しい。マイカーをやめることの支援策もインセンティブもきっかけづくりもされないのでは、そういうことになる。そして、下手すると高齢者ドライバーの事故という結果になる。
羽生市のタクシー会社はいいことしたと思う。
全国的にタクシー会社の経営が厳しくなり、景気回復とともに変わり映えしない営業をしているタクシー会社ならドライバー確保も難しくなるだろう。高松市の子育てタクシーにしても、羽生市のこの取り組みにしても、どうしてもタクシーを使わざるを得なくなる上得意に何らかの手を打つことは有効だと思う。そういう営みの向こう側に、脱マイカー→バスやタクシーへの利用者のシフトが起こるのではないか。
余談だが、首都圏に住んでいると、タクシー利用の敷居が高い感じがしてならない。
タクシー代が高いとか安いとかいうのではなく、ドライバーの流動性が高いので運転手に道を教えてあげないと目的地に着かないとか、うっかり会社を選ばずに乗るとたばこ臭くて服にも鞄にも髪にも煙の臭いがついてしまうとか、利用するには結構ストレスがかかる。子育てとか高齢者などことを専門的に対応していくことはそういう面でも、敷居を低くするためにいい効果が生まれるのではないかと思う。
2006年10月7日(土)埼玉新聞
「タクシー利用します」免許返納者に1割引制度 羽生、10日開始
羽生市内のタクシー会社二社は十日から、運転免許を返納した人のタクシー料金を一割引とする制度を始める。
県公安委員会が免許返納者に発行する「運転経歴証明書」を見せれば、住所や年齢などは問わず、割引が適用される。羽生署で六日、同制度の協定式が開かれ、タクシー会社や交通団体の関係者らが握手を交わした。
割引を始めるのは、羽生タクシーと、増田タクシー羽生営業所の二社。七月二十六日に関東運輸局へ料金改定を申請、九月二十五日に認可された。両社が所有する計二十五台のタクシーの乗車口にステッカーを張り、乗客に知らせる。
この日、免許を返納した羽生市の飯塚和子さん(75)は「五十年運転しているが、家族に『もうやめな』と言われた。家に家族がいないときには(割引タクシーを)利用しようと思う」と話した。
鷲平保雄・羽生署長は「制度をつくって終わりではない。高齢者を大切にする制度を広げていきたい」とあいさつ。タクシー会社幹部らは「会社として地元にできる範囲で還元したい」と話した。
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