« 10/1 誰のための支援か | トップページ | 10/2 狭い道路の事故は15年で65%増 »

2006.10.02

10/2 美しい我が国への挑戦

所信表明演説の質疑答弁が行われた。民主党の鳩山氏は、東京裁判のいわゆるA級戦犯への認識を質したが、それに対する首相の答弁は、先の大戦に対する責任の主体についてはさまざまな議論もあるので政府として確たる答えはしない、というもので、サンフランシスコ講話条約を反故にし、天皇の首を洗い直す暴挙ではないか。あるいは不起訴となった安倍氏の祖父岸信介氏の審査をやり直してもよい、ということなのだろうか。戦後改革を受け入れてきた美しい我が国の歴史に対して、アヘンの売人や死に損ないの戦争指導者を復権させようとする挑戦である。

また、安倍首相は、社会保険庁の改組問題を政治問題としてヒートアップさせている。スウェーデンなど年金改革に成功した国の事例と比較すると、年金制度も、特定の役所に配属されている職員についても、政治問題化することは好ましくない。
年金制度がおかしいというところから始まった議論は、社会保険庁叩きにすり替えられ、肝心の年金制度の再構築はどこか飛んでいってしまっている。社会保険庁を解体したって、改組したって、職員痛めつけたって、年金制度が良くなるわけではない。
年金制度を設計しているのは社会保険庁職員ではなく厚生労働省の本庁キャリア官僚たちである。そして、年金制度が歪むのは、保険料率1つ変えるのに金権政治家が跳梁跋扈する国会を通すからだ。金権政治家を説得するためには、おみやげを用意しなくてはならない。だから、誰かのお金である運用金でわけのわからない施設を作って利益誘導してやらなくてはならない。社会保険庁をスケープゴートにする前に、保守政治家たちの、おみやげ持ち帰り体質をなんとかすべきだ。
結果として、今も年金不安は消えていないし、。われわれ国民が払う年金ももらう年金も何の影響もなく、安倍氏の社会保険庁叩きでも不安は消えない。誰かにフラストレーションのはけ口をぶつけていることを煽っているだけである。

もう1つ。社民党議員と連んで社会保険庁叩きに熱心だったジャーナリストが、自治労批判にかこつけて全労済叩きをやろうとしている。労働組合の幹部に圧されて保険金詐欺を許してしまった全労済は善良な加入者を騙している組織、というキャンペーン。このジャーナリストが公的年金と民間共済を叩く動機はなんだろうか。アメリカが日本の公的年金の民営化と、県民・JA・全労済の3共済を潰したがっていることからひもとけば動機は明らかだ。記事も保険金詐欺をした当の本人のうちあけ話がニュースソースらしく、よく言うよという感じ。

|

« 10/1 誰のための支援か | トップページ | 10/2 狭い道路の事故は15年で65%増 »