10/22 何でも「既得権益集団」からの被害妄想を膨らますな
●民主党二敗。直前で支持率低下が見られた。両候補とも惨敗ではなく、また無党派層の一定の支持の厚さも見られたので、敗因の冷静な把握と、着実な参議院選挙対策を続けていくべきだろう。前原などのゆさぶりに動かされては無駄な時間を浪費することになるので無視すべきだろう。
神奈川16区の方は民主党の戦略のなさを浮き彫りにした感じがする。議席を守る側が二世を立て、弔い合戦とふざける要素が全くない選挙に、「実現男」なんてふざけたパフォーマンスを売り物にした候補を出したことはミスだったのではないか。票になるような話題にもならなかった。格差社会批判の中で、通産省官僚出身で構造改革を推進したという経歴だった候補者が、おふざけパフォーマンスで知名度を高めたことは良くないと思う。終盤「実現男」のくだらないパフォーマンスも控えめにしたせいか、それにしては善戦したと思う。上に仕える人の関係でこの選挙に突っ込まれた友人がいた。よくたえたと思う。
大阪の結果は本当に残念。共産党がどういう役回りをしているのか、比例区のない補選で独自候補に拘る意味は何なのか冷静に振り返ってほしい。
●滋賀県栗東市の市長選挙で、新駅建設推進派の現職が当選。どうしても栗東市民が新幹線の駅が欲しいというなら、自分たちの町だけで滋賀銀行でも何でも借金してお金を調達してほしい。ほんとうに建設費以上の経済効果があるなら、自前で建設費は回収できるはずだ。全滋賀県民に迷惑かける理由がわからない。親戚がこの近辺にいるのでよくわかるが、各駅停車の新幹線しか止まらない駅があったから何だ、という感じがしてならない。
国や県の支出金へのたかり、公共事業の債務保証債の発行による地方交付税の分捕りで他の自治体に迷惑かけないでほしい。どうせ土地持ちのドラ息子あたりが、他人の金使って、農地を新幹線の駅前に化けさせて金儲けを企んでいるのだろう。それに金欠政治家どもが巻き込まれているだけだろう。税金が何のために使われるのか、考えさせられる話だ。
●愛読するLovelessZeroというブログを紹介するサイトでリンクされていた「余丁町の散人」というブログに、介護財政の配分に対する大きな誤解があるのでただしておきたい。
1つめは、介護労働者に介護報酬の1割しか渡っていないということが書かれている。介護計画を設計しメンテナンスするケアマネージャーが介護労働かどうかということが問題になるが、ケアマネの報酬を抜いて半分、含めれば6割は渡っている。大手事業者を中心に事務経費や人材仲介経費分の取り分が多い面もあるにして、それはそれで問題だとしても、もともとの介護報酬が少ない中での取り合いの構図なのだ。
2つめは、フィリピン人の移入が既得権益集団が妨害しているという誤解。どういう既得権益があるのかわからない。既得権益集団という何だかわらかない悪の集団さえなくなれば世の中良くなる、という小泉政権を支えたチチンプイイデオロギーだ。
既得権益集団よりも、外国人労働者への制度整備が追いついていないこと、在日韓国・朝鮮人ですら文化的なアレルギーが克服できていないことに問題があるのではないだろうか。外国人労働者を受け入れるというスキームがないままに、介護だけフィリピン人を働かせるという政策にさまざまな無理があるから話が進まないのではないか。
フィリピン人労働者を入れた場合、彼らも日本で住み、日本で生活しなければならないのだから、日本人同様の生活コストがかかる。彼らの賃金が安いということは、彼らの立場が弱いことを利用してひどい仕事を強要しているということになる。それが経済的合理性という言葉で何よりも価値を置くというならずいぶんな経済大国である。多くの人がやりたがらない仕事や重労働の労賃は上がる、というメカニズムが働かなければ経済的合理性と言わないと思う。立場や文化の違いを利用して人件費をけちるのは経済的合理性と言わず、政治的強要というのではないだろうか。
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コメント
栗東市長選は僅差でしたね。共産党に流れた5000票・・・・民意は歴然なんですが。
投稿: takeyan | 2006.10.23 03:39