10/21 教育バウチャーは子どもの主体的な学習権を保障させるのか
教育再生会議で、保護者に教育用金券を配布して、利用高に応じて学校に納付する「バウチャー制度」の導入が検討されている。教育関係者はあわてふためいているし、当然、日教組や革新政党は反対声明を出している。
保育所の規制緩和のときに、規制緩和派はさかんにバウチャー制導入を打ち上げて、保育園を考える親の会や、保育関係団体が反対したが、共産党以外の政党や、教育関係者は冷ややかだった記憶がある。証拠が手元にないが、社民党の保育政策も、バウチャー制導入含みだった。何を今ごろ、という思いもある。
教育の場合、保育と違い、多くの人に関心のあることなので、バウチャー制導入の効果は出る部分もあるかも知れない。その場合に必要なことは、保護者にバウチャーを渡すのではなく、本人に渡すべきである。また、基礎教育である義務教育課程でのバウチャーなど意味がない。選択制授業のあり、また子ども自身が社会に出ることを意識しながら勉強させる可能性を持つ大学や高校で導入すべきだろう。
またバウチャーを導入するなら1回1回の授業で、電車の回数券のように使うスタイルにすべきだ。それだけのことをやれば、利用者、すなわち子どもの教育権を保障するバウチャー制となる。意欲のある子どもだけが教室にいるようになり、教室の光景も一変するだろう。しかし、通年で一括して使うようなバウチャーなら、授業のオリエンテーションで騙してしまえばいいので、意味はない。また、現在の私学入学のように入学と同時にバウチャーを使うようなものなら受験時に騙してしまえばいい。
電車の回数券方式のバウチャーなら、子どもにとっては、勉強するコストを実感できるようになるし、意味のない授業と感じれば期中でそんな授業に浪費する時間を無駄にすることがなくなる。それくらい本人の権利性を保障するなら、教育バウチャーありだけど、今の私立高校の生徒獲得競争みたいに、子どもそっちのけで保護者を幻惑させ騙すようなことを拡大する改革なら絶対に許してはならない。
●革命的な速度で走る関西の通勤電車「新快速」が福井県の敦賀まで運転し始めた。むかしは京都と西明石の間だけで、京都・大阪・神戸の間の利用客中心の電車だったが、いつのまにか運転区間が伸びて、全然座れない電車になってしまった。おかけで滋賀県の新幹線新駅は要らないという議論ができるわけであるけども。
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