10/14 安倍と菅義偉の放送局ジャック
政権と、歴代「改革派」宰相にごますりねずみの菅義偉(旧宮沢派)総務相が、NHKの短波放送に北朝鮮の拉致問題のプロパガンダをせよと政府に命令させるらしい。これには自民党の中からも問題視する声が挙がっている。
政府が公共放送に放送を命令する権限は、地震や戦争、あるいは先の大戦のときのように戦争をやめるときなどに最低限必要だと思うが、政治的主張には用いるべきではないだろう。拉致問題の特番は安倍晋三事務所が得意なマスコミ対策で要請すればいいことではないか。きちんとネタを提供する手はずを整えておけばやってくれるだろう。
拉致問題の国際宣伝をする必要があるにしても、それは放送局が独自に取材して、ドキュメンタリー番組をつくる場合においてだ。日本政府のプロパガンダ放送を流しても、見る人がどのくらいいるのだろうか。また海外で政治的影響力をつくる場合に、短波放送ってどれくらい意味があるのだろうか。せっかく小泉政権で磨き上げたPRのテクニックも、こんな権力的なやり方でやれば逆効果ではないのか。
また、こうして政治介入の意図ありありのことが表沙汰になってしまって、かえって拉致問題が放送しにくくなってしまったのではないか。放送局が自主的に取り上げても、どうせ放送局の社員の不祥事かなんかのネタと引き換えに政権に圧力がかけられたのだろう、と色眼鏡で見てしまう。
安倍晋三事務所は、自分たちに都合の悪い報道内容には、執拗に質問状や抗議文を送りつけるらしい(東京新聞記事)。政治家ってマスコミに批判されてなんぼの仕事でもある。戦前の暗黒社会に戻すのではないかという疑惑がつきまとう安倍首相のイメージアップのためには、放送局に権力を使ったり圧力をかけるのはやめるべきだろう。
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