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2006.10.12

10/12 朽ちていく命

NHK東海村臨界事故取材班「朽ちていった命 被爆治療83日間の記録」(新潮文庫)を読む。NHKスペシャルの番組の内容とその取材記録を文字に起こした本。

人類文明の歴史の中で、20回しか発生していない臨界事故による被爆で、患者・その家族・医療が全く未知の分野の治療を尽くした記録で、原子力事故の気味悪さ、生命倫理などいろいろ考えさせられた。
折しも、北朝鮮の核実験と同時期に読んだだけに、その点でもいろいろ考えるものがあった。

被爆して細胞の再生能力を失いながら83日間生き続けた大内さんの検死解剖では、筋肉細胞がほとど壊れていた中、心臓の筋肉だけがきれいだったということが印象だった。

知り合いの市議(朝霞ではありません)さんから、がんになった原子力技術者が退職後、原子力発電の現場について報告している講演録を紹介されました。核廃棄物についての問題は知っていたものの、原発の運転維持にこんなにも無駄な労力を払っているのか教えていただき、とっても衝撃的な内容でした。

原発がどんなものか知ってほしい

あと、北朝鮮の核開発について、何について能力がある、ないという議論が焦点になっている。原水禁の「原水禁ニュース」の「核問題入門第6回」がシロウトにもわかりやすくて参考になる。もっと役に立つ高校物理に出会いたかったなぁ。その他、原水禁HPには核兵器の政治的意味や各国の開発状況について十分に資料化されていている。

●先日、選挙の相談に来ていただいた仲間と話していて思い出したことだけど、90年代中盤からの日本の市民活動が公認されるステップとして、85年チェルノブイリ原発事故を契機とした反原発運動(市民運動が平和運動や左翼運動、労組の資金と動員力から自立して勝手にかたちを創っていった)、89年のおたかさんブーム(自民党の配慮の政治とは違う自分たちが創る社会モデルが必要なんじゃないかという意識を表に出した)、95年の阪神大震災(個々の自発的な活動が公的な価値を持つということを明らかにした)の3ステップがあったなぁと思った。たまたま和田春樹東大名誉教授と話したときに、ソ連のペレストロイカや東欧政策の変更もチェルノブイリ原発事故を契機とした情報公開要求に起点があるということで、反原発運動というのは、その運動成果は評価が別れるにしても、全共闘運動以上に戦後の市民社会の変化の大きな転換点として評価されるべきではないかと思っている。
それにしても、最近、書店のNPO関連本の半分は、「起業」という言葉と混ぜて安っぽい金儲けのツールみたいに語られている。公的な価値を創りながら金儲けできればそれに越したことがないのだろうけど、どうしてこんなになっちゃったんだろ。そしてNPOにどうして金儲けが期待されてしまうようになってしまったのだろう。

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コメント

一言よろしいでしょうか。
上に挙げていらっしゃる「原発がどんなものか知って欲しい」ですが、これは信頼性に乏しい「怪文書」の類です。
以下のサイトで詳細な反論が挙げられています。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~asashi/genpa/

また、核物理は本来高校で学べる水準の話ではないので、理系向きの高校物理で教えることはそもそも不可能です。ただし、文系向きの「物理A」という科目では、元々厳密な話を想定していないこともあって、このような知識にも触れられているかもしれません。

投稿: 一学生 | 2006.10.13 16:42

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