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2006.09.08

9/8 出生率は便利さを犠牲にしてこそ

厚生労働白書が、少子化は若年者が長時間労働にさらされているから起きている、と分析、24時間営業とか、即日配達といった仕事を減らすよう提言している。

世の中が便利になることは自分たちの首を絞めることになる、ということがわからない世の中になってしまった。延長保育が子どものためにならない、と強く主張する保育士が、真夜中に誰かが働いているはずのコンビニで買い物することが全然不思議じゃない世の中なのだ。

文房具の問屋にいたからなんとなくあの業界の変化が痛い。
私が働いていた頃は、街の文具店がスーパーにほぼ潰されようとしていた。しかし、利益だけでみると、スーパーはスーパーも納入業者も赤字になるシステムだった。欠品が出ると罰金が科せられた。一方、街の文具店は売り上げこそ少ないものの、利益率は高く、ゆったり商売ができた。なんか間違っているなぁ、と感じたのがそのころ。
それでもまだお店を通して物を売る、在庫の概念がきちんとしていた時代の話。退職後、一気に文具通販が需要をかっさらっていくようになって、まさに即日配達とか、翌日配達が当たり前になってしまった。その便利さを評価して使い続けることが、大量のアルバイト労働力で文具の流通が支えられることになってしまった。今や、文房具を扱う仕事は食べられる仕事ではなくなってしまったし、ワンコールワーカーの仕事になってしまった。

出生率の回復って、仕事の能力を多少犠牲にしても生活を優先することのできる社会でしかあり得ないと思う。終業時間間際の、明日対応しても問題のない問い合わせやクレームを、あしたやらせてくれ、と言える社会のことだ。ところが、構造改革以後、長時間労働の上、24時間得意先のことに緊張し続けなくては「努力した」の前提条件にすらたどりつけない労働環境で、子どもなんかつくり子育てに責任を持てと言われるのは、無理いうなよ、という話しだ。消費者の変化が必要だろう。

●昨日の道路工事の抗議の続報だが、県土事務所が、工事時間を日中に変更してくれた。仕事を頼まれた業者の都合もあるし、今回の工事については我慢せざるを得ないけど、次にどこかでやる工事で同じようなことをしてほしくないという思いで半ば諦め半分、言わないよりましと思って抗議をした。
きっと怒ったのはうちだけではなかったのだろう。ありがたい対応なのでお礼の電話をした。

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