9/7② 不正を働いた役所への抗議の仕方
岐阜県庁の裏金事件については、「加盟組合」も絡みマネーロンダリングの道具にされていることなのであれこれ言うべき立場ではないが、この事件で県庁に「県民税を払わない」「払いたくない」という抗議電話が多いという記事が読売にあった。
怒りはわかるし怒るべきだと思う。が、消費や選んで入る団体と違って、そこに住む以上、その自治体から逃れられないし※、県財政は県民の共有の財産なのだから、有権者としてやるべきことは税金を払わないことではなくて、自治体をコントロールすることを考えなくてはならない。県民が求める事件の後始末は、監督すべき知事や副知事、県議に積極的に対立候補を立てて選び直し、県職員をコントロールし、ケースによってはクビにすることではないだろうか。抗議電話も「てめえら、クビにしてやる」これが主権者としての県民のとるべき態度だろう。税金を払う客体としての自治体である限り、自治体の体質はそんなに変わっていかない。
岐阜県内は相乗り無風な首長選挙が多いが、それを変えていかないと、なかなか基本のところのチェック機能が働かないのではないだろうか。
※アメリカが、自治体を分離独立させることができるような制度になっているらしい。詳しい人はメールで教えてください。
※不正体質の中にいた人が仲間を売り飛ばして改革派のように装うような首長も増えているので、選挙で決着を付けるというときにも、選挙の質が課題になる。
●朝霞台駅の東武ブックスで見つけた中條克俊著「君たちに伝えたい 朝霞、そこは基地の街だった。」(梨の木舎)を読む。米軍基地があった朝霞の歴史を、市内の関係者の聞き書きや、新聞記事等からひもといた本。大して長くない著者の略歴に「埼玉大学鎌倉孝夫ゼミナール」と書かれていることが少し気になったが。
今の朝霞は、武蔵野台地のみどりとうるおい、といった売り出し方をしているが、何だかそれが言葉と裏腹に無味乾燥な感じがしているし、ベッドタウンとして住宅を売り出す不動産デベロッパーのためだけの標語のような気がしてならない。
米軍基地の存在、敗戦による経済混乱、そんなことから朝霞の川越街道旧道沿いあたりは魔窟とも言える売春の街だった時代がある。著者は基地に反対するスタンスとともに、基地問題や、基地に付随する売春の街特有の社会問題を乗り越えていった朝霞の人々の姿を、証言などできちんと記録に残した。とても貴重だし、大事な仕事をされたと思う。朝霞では、基地があって大変だった時代こそ、地域福祉が行われていた。
今、朝霞のアイデンティティづくりに、いろいろな人が苦労している。この本を読んで、基地問題と折り合ってきた朝霞の人々の話が生き生きしていて、その歴史こそいろいろなアイデンティティが詰まっているような感じがした。今はマンションとバーの廃墟が目立つ旧川越街道沿いの地域を歩いてみたくなった。
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