9/23 カリフォルニア州が地球温暖化の加害者として自動車メーカーを提訴
地球温暖化防止というと、こまめに電源を切れとか、冷房の温度を一度上げろとか、ちまちました個人努力ばかり要求される(それも大事だ!)が、最も二酸化炭素ガスを出しているのはマイカーの存在だろう。全体構造の中でどこにメスを入れるべきかということがもっと必要だろう。それなしに個人努力にばかり力点が置かれるから、ほんとうの責任のあるところの問題が全く取り上げられない。
地球温暖化に対するマイカーの加害性については、クルマが嫌いという立場の人以外はほとんど言及されていない。マイカーを利用しない不便さなど、他の不便さに比べれば単なる快不快のレベルでしかないように見えるが。経済的にも、マイカーを維持する費用を考えたら、タクシーを乗り回した方が経済的な人の方が多いと思う。タクシーなら大メーカーではなく地域社会にお金が落ちるので地域経済や自治体財政にとってもプラスだ。
なんてことを考えているが、アメリカのカリフォルニア州が、自動車の排気ガスで地球温暖化の迷惑を被っているとして、日米の自動車メーカーに損害賠償訴訟を起こした。
政治的に考えると、ずいぶん乱暴だなぁ、と思うが、環境問題に限って言えば、自動車メーカー、道路業界、そしてユーザなど、マイカー派がずっと頬被りしてきた現実を考えさせるには面白い訴訟だと思う。ただしこんな訴訟を起こすのなら、カリフォルニア州もマイカーを使わないで済むアメリカ社会を創るべきだろう。
加州、「自動車排ガスで温暖化」と日米6社を提訴
【ロサンゼルス=古沢由紀子】米カリフォルニア州のロッキャー司法長官は20日、自動車が排出する温室効果ガスが地球温暖化の主因になり、州民に多大な「被害」を与えているとして、日米の大手自動車メーカー6社に損害賠償を求める訴訟を同州の連邦地裁に起こした。
地球温暖化の法的責任を自動車メーカーに問う初のケースと見られる。
訴えられたのは、ゼネラル・モーターズ(GM)、フォード・モーター、クライスラーの米ビッグスリーと、トヨタ、ホンダ、日産自動車の各米国法人。
訴状のなかで同州は、自動車が排出する二酸化炭素などの温室効果ガスが地球温暖化に与える影響について、メーカーの責任を明確にすべきだと主張。温暖化が州の環境にもたらす被害のほか、州が行う調査や洪水対策にかかる費用などを各社が賠償するよう求めた。請求額は明示されていないが、数億ドル(数百億円)規模になると見られている。これに対して、トヨタ、ホンダは「現時点ではコメントできない」としている。
ブッシュ政権は温暖化対策に消極的だが、環境問題に熱心な同州は独自に温室効果ガス削減法を制定。これに日米の自動車メーカーが反発、差し止めを求める訴訟を起こしている。こうした対立を背景に、今回の訴訟は州が業界側に圧力をかける目的との見方が強い。
(2006年9月21日11時44分 読売新聞)
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