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2006.09.19

9/19 基礎年金と高齢者生活保護の違いがわからない

朝日新聞朝刊1面、「分裂にっぽん」で今日は生活保護と年金の話だった。年金と生活保護の給付が逆転しているから、政府が年金も生活保護も切り下げてひどいことになっている、という話。

現状ベースの話だとそういうことになるのだが、そもそも基礎年金って、強制なのか任意なのか、その性格を明確にすべきだろう。おそらく、基礎年金は強制にしていくべきなのだけども、今の保険料方式では強制にならないし、納付率を上げるために免除制度をたくさん用意してしまったため、困っている人ほど年金が少なくなってしまう。免除期間分は給付額が3分の2カットされるのだから、40歳ぐらいまで大学院生やフリーターなんかしているような人は、仮に全期間年金を払ったとしても、その後の人生にもよるが、月4万円程度の年金になる。結局のところ生活保護を足すことになる(大学院生は何とかなるみたいな思い込みがあるが、文部科学省の省益のために大学院をここまで増やすと、大学院卒にふさわしい安定した職場を用意できる保障はない)。

基礎年金の制度を安定させていくためには、財源を全額税にして、65歳以上の生活保護と制度を統合するのがもっとも不公平感がなく、運用負荷の少ないやり方ではないか。65歳の人口に年金給付額をかけ算するだけで必要な資金が明確になる。また、国民年金加入者のように職業不安定な人が月13300円25年払い続けたことを確認しないと年金権が確立しない制度に、記録漏れや、免除制度の複雑な手続きとか、無理が多いのではないか。それなら消費税で取ることを考えた方がいい。専業主婦の年金問題もこれで片づく。また副作用たが、生活保護の半分を占める高齢者扶助について、ある程度の部分は複雑な資産調査がいらなくなり、市役所のケースワーカーの省力化が可能になる。
谷垣さんは漠然と福祉目的税構想を言うより、そこまでパッケージで提示すべきだろう。また年金一元化の目玉は、公務員年金と民間勤労者年金との統合のような小さな損得の話ではなくて、転職や失業や不安定雇用が増える中で、年金保険料を払えなくなることもある人生を見通した年金制度をどう創るかということだ。今の水準に手を加えれば、夫婦で15~6万の最低生活は保障される。単身の高齢者の場合、そこに現行の生活保護の住宅扶助や介護扶助、医療扶助を上乗せして運用すればいい。住宅費と医療費、介護費用さえ何とかなれば、月7~8万の生活費で生活できないことはない。

この先は連合の考え方と若干異なるが、そうなると被用者年金も手を加えなくてはならない。基礎年金がばっちり保障されるなら、被用者年金の上乗せがそんなにたくさんいるのか、ということになる。その範囲で所得比例年金を公的に保障することは可能だし制度の負荷も減るだろう。夫婦2人で高齢者が月いくらあれば基礎的な生活できるのか、ということだ。
さらに質の高い退職後の生活がしたいというなら、それこそ銀行や民間保険などの自己責任の世界に委ねればいい。今みたいに、公的年金で月30万まで保障している国って、世界でどのくらいあるだろうか。厚生労働白書でも、日本ぐらいだったような記憶がある。

また、高齢者の生活の中でお金がかかる場面をなるべく少なくしていくべきだろう。日本の場合、住宅費が高い、高齢者の相談相手が病院しかない、などの条件で、どうしても老後の沙汰も金次第みたいな状況がある。また遺産を残したり、孫に多額のプレゼントをすることが美徳としているような風潮があるため、年金が何だかわけのわからない使われ方をしている印象がないわけじゃない。そういう意味で、利用者の権利性を明確にするために一定の自己負担はあった方がいいと思うが、介護や医療の自己負担を上げ続けていく方向は違うのではないかと思う。

あとまた別に所得比例のスウェーデン方式が良く喧伝されている。これにも、保険料でやる方法と、金子勝氏が提唱しているような所得税の納税額に完全比例させる方法とがあり、後者なら所得税の納税忌避みたいな風潮がはびこっている中、注目に値する改革案だと思う。

●NHKの「介護エトワール」を片目でみる。遥洋子の原作なので斜に構えてみたが良かった。主役は人生のステップアップの大事なときに期待され可愛がられたガラの悪い父親が倒れ、介護で大変な思いをする。その経験を経て、主役の原沙知絵が恋人役の細川茂樹に結婚を求められて「私の母のおむつを替えられますか」と問い返すシーンで終わる。そうか、今の時代は赤ちゃんのおむつを替えるより、自分の親のおむつを替えることが先に来る人が少なくないんだなぁ、と気付く。確かに、いろいろしがらみを抱えてきた親のおむつを替えるところから入るのは大変だと思う。

●テレビ映画「電車男」が面白くて、釣られてビデオレンタル店でアメリカ製の「バス男」という映画を借りる。バスなんか出てこないじゃないか、と怒る。また鈍くさい役ばかりのB級映画で、なんでこんなことでハッピーエンドになるの?と言いたくなるような話。準新作というので高い料金を取られたし。がっくり、ぐったり。

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