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2006.07.09

7/9 児童手当が貰えない家庭が月3万の保育料が払えないのか?

日曜日の朝日新聞9面「人口減で明日は」は少子化で起こる年金、医療、仕事、子育てについて、それぞれ良い視点を提供してきたが、今日のは「金銭面の子育て支援あなたの場合は?」と児童手当推進論を展開している。現状の所得税の扶養手当が、金持ちほど優遇されるから、児童手当に切り替えた方がまし、と、イラストや論点はわかりやすく説明されているが、そもそも現金給付がどうなの?ということには何の検証もされていない。

本文は「子育てにお金がかかるため、子どもをつくることをためらう人も少なくない」というステレオタイプな切り出し。うんざり。そんなあほな言い分に聞く耳を持つから子育てに関する政策が迷走するのだ。
ある面「真実」かも知れないが、では政府がお恵みのお金を与えれば子どもを作るのか、というのが私の疑問なのだ。預けるところもないし、子育てしたら遊びにも行けなくなるし、残業を断れば雰囲気が寒いし、友だちもなくなるこの社会で、お金がいくらあっても子育てなんてプラスのイメージはつくりにくい。パースコントロールを否定するわけではないが、バースコントロールしなければ社会参加できないような社会自体を問い直さなくてはならないと思う。

笑ってしまうのもあった。欄外に「言わなきゃソン」という投書欄があって、東京都・主婦・33歳という人物が「公的支援の所得制限、撤廃を」に投書している。その内容の無自覚さ、鈍感さにびっくり。

7歳、4歳、1歳の子どもがいます。夫は会社員で、私は専業主婦です。児童手当や小児医療費の助成、私立幼稚園児の親への補助など公的な経済支援が、所得制限のために1つも受けられません。夫の給与は決して多いわけではなく、ぎりぎりのところで引っかかってしまうのです。子どもを3人も育てているのに納得できません。
保育所の保育料も所得で決められており、私が職探しをしたくても、一番舌の子を預けるのに月3万も必要になります。そんな余裕はありません。これから養育費が増えていくことを考えると、とても不安です。少子化対策では、所得制限を今すぐに撤廃してほしいと思います。

33歳の専業主婦様、あなたの夫の給与は相当高い。子どもが3人もいて、児童手当が支給されないサラリーマンとなると額面で1000万前後はいっているはず。その収入で年36万の保育料が高いのだろうか。1人の子どもを育てるのに年収の3%も振り向けられないとはどんな家計構造しているのか調べてみたい。
小児医療費の助成についても、それくらいの高所得者なら「助成があるお陰で、貧乏人たちが大した病気でもないのに小児科に来るので、混んでいて困る」というべき立場だろうと思う。年収の1万分の1、たかだか1回千数百円の自己負担ができないものだろうか。
投書の主はどうしてお金がないのかわからない。お金の使い方に問題があるか、夫が風俗か愛人に貢いでいるのではないか。私の周囲の人々は、児童手当不支給になる人の半分ぐらいの収入だし、それでとりわけみすぼらしい生活をしているとも思えない。埼玉や千葉で倍ぐらいの保育料を払っているし、小児医療費の助成もないような自治体に住んでいる人もいる。
朝日新聞は投書の主の前提条件の調査なしにこの投書を掲載したのだろうか。こうした俗論が突破口になって、高所得者にもさまざまな公的サービスが無償で提供されるようになったり、意味のないばらまき福祉が広げられたりする。その結果、母子父子家庭や、病気や怪我での生活保護家庭など、ほんとうに公共の支援が必要な人への社会サービスがどんどんカットされている。

●重村智計「外交失敗」を読む。日朝首脳会談の設定は、筋が悪くて、結果としてアメリカを怒らせただけで何も生まなかった、という話は参考になる。
今日、重村氏は反共主義が自己目的化している人を除いた北朝鮮評論家の中で、もっとも北朝鮮に厳しく、アメリカ共和党的な外交政策を提言している評論家だと思う。しかし、90年代前半、それこそ今日の重村氏が批判している金丸訪朝団や94年頃の北朝鮮危機のときに、彼は北朝鮮にコメ送れ、対話しろ、と最も北朝鮮寄りのコメンテーターとして活躍していたことを思い出す。当時の私は、北朝鮮にだけとっても強硬な意見を持っていたので重村氏を北朝鮮の手先のように見ていたので印象は強烈だった。

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