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2006.07.06

7/6② 年金の世代間格差は悪意を持って宣伝された

年金の世代間格差を強調する考え方が、何というかせこいというのか、システムがわかっていない、というかそんな気持ちになっていたところに、やっぱり出所のおかしな議論なのだ、という報告を読む。

昨日、ネオコンとリベラルの関係をひもといたEU労働法雑記帳の「年金の世代間格差論議の虚妄」から、出所情報をゲット。

世界的には、年金の世代間格差という問題はおきずに、制度設計の妥当性が問われている。公的年金がしっかりしているおかげで長寿の親を持つことの悲劇や、兄弟の数の大小で親を養うのにリスクがまちまちにならないようリスクを馴らしていることぐらいちょっと考えればわかりそうなものだが。

95年ぐらいからあちこちで喧伝されたが、言い出しっぺは、アメリカの特殊な経済学グループ。それを日本の、さらに特殊なグループが輸入して、派手に政治的に宣伝したらしい。そのグループとは、阪大財政学グループ(つまり本間正明)、一橋大(竹中、中谷巌ではないか)、日本経済新聞だという。まさに後の小泉構造改革の雇われ学者たちである。そんなことを解き明かしたのが、慶大の権丈善一という学者の論文である。年金制度の議論に対するもやもやした不快感を解き明かしてくれた。

世代間格差をことさら強調した小泉・日経系学者の意図は簡単だ。年金運用資金を金融資本に売り渡すことだ。賦課方式をやめさせ、積立方式に移行する。若者がせっせと働いたお金を吸い上げ、それで銀行にマネーゲームの原資を与えようというものだ。
そういう宣伝の結果、年金制度に対する不信感が記号化して何をやっても信頼が回復できないようなことになった。国民には将来不安ばかりが大きくなってしまった。若い人たちは年金不安から、成功者はちょっとお金があれば貯金するか、お金が無ければ刹那的に生きるようになってしまった。そのことの損失は、年金の世代間格差なんかよりずっと大きい。

そんなことを一番解っていないのは、年金格差だけをことさら強調する若手政治家だったりする。今の高齢者と若者世代との配分変更は理解できるが、積立方式なら若者がトクをするなどという俗論にはほとほと呆れ返る。
公的年金は損得ではなくて、長寿リスクを管理するテクニックだと理解すべきなのだ。

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