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2006.07.30

7/29② 観光開発に夢を抱く人に夕張市を笑えるか

午前中はマンション管理組合の理事会。自治をやり通すためにいろいろなことを考えなくてはならないし、みんなに考えてもらわなくてはならない。骨が折れるけど、一生つき合う可能性のある人たちだからこそ、一緒に考えられる基盤があると思う。

午後は次世代計画推進委員会のワーキンググループの集まり。子どもの今を知る連続講座を始めることと、子育てに楽しく近づくことができるイベントを計画していくことにした。

夕方、子どもと近所で開かれた阿波踊りを見に行く。意外とたくさんの人が見に来ているのでびっくり。

●夕張市の財政破綻については、あまりにもひどい結果だけれども、あのまちのおかれた状況を考えれば、あれこれ非難することは差し控えてきた。広々とした北海道にしては珍しく山にはさまれたまち。細長い山あいにウナギの寝床のように廃屋になった炭坑住宅が延々と続く。北にも西にも東にも山が閉ざし、港湾からも遠く、炭坑に代わる産業などめったに見つかることはないだろう。

不幸なことにこのまちは、炭坑の最終的な閉山が進められた同時期に、土地バブルの時代がやってきた。全国の過疎地にびっくりするようなリゾート開発が行われた時期で、実際、夕張よりさらに山奥で、かつては秘境といってもよいトマムがいっとき成功していたので、夕張も2匹目のドジョウを狙っても不思議はない。

中央政府による観光開発に対する交付税措置、独裁政権だった市長の映画道楽趣味、さらには夕張選出道議が非自民保守で、たった2議席で道議会のキャスティングボードを握る立場にあったことなどから、夕張がモラルハザードに陥る舞台装置は完璧に揃っていた。

そこで毎年2月に開かれていたゆうばり国際映画祭は、独特な映画祭だったと思う。公会堂や体育館などを総動員して、厳寒期の2月に、映画監督、映画俳優、観客が狭いこのまちに凝縮して集まる良さがあった。しかし残念なことにこの祭は完全に行政依存だった。前市長の道楽があってブレーキがかからず、9900万の費用に6700万円が市の負担。そのほとんどが特別交付税で、他の自治体が受け取るべき交付税が削られることを原資とした費用だったのだ。バブル期以降、こうした交付税の歪んだ出し方がさまざまなかたちであって、そのことでお金もない自治体がおかしな事業に手を出しているところもある。山田洋次がいろいろ発言しているが、やはり道楽のために交付税を使うことがどうなのか考えると、うち切らざるを得ないだろう。

最近、再び観光による産業振興というのが流行しているが、観光による経済は自立した地域経済の放棄といってよい。他の地域の人が遊んで道楽して落としていくお金で成り立つ地域にするということだ。遊んで道楽してお金を落とすことが悪いとは思わないが、それに依存した経済というのはどうしてもプライドがおかしくなる。というのも遊び歩いている人がエライ人になり、その人たちにこき使われて汗水流したり、ひどい場合はだまくらかしてお金を巻き上げることが、生活に不可欠なことになってしまう。観光客の大半は一生に一度しか来ない。だからどうしても落としたお金を有効に使ったと信じたがる。ひどいサービスを受けても、なんとか納得させていい思い出にしていく。また没論理みたいな話も多く、観光客という実体の不明確な存在のために公共投資などもいろいろさせられる。

観光って政策的にあれこれすべきものなのだろうか?いろいろ疑問がある。民主党が観光開発に力を入れるというが、これは竹下派がバブル期においしい汁を吸った二番煎じなのだろうか。旧竹下派が観光を口にする度に、どうして?と思うような観光開発が行われ、その5年後には、自治体が後始末するということが繰り返されている。今は観光開発より、リゾートの後始末をきちんと考えるべきだろう。

「ゆうばり国際映画祭」中止 財政破綻で事業見直し2006年07月28日12時18分朝日
 財政再建団体への移行を決めた北海道夕張市が、90年から続いてきた「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」の中止を決めた。28日の市議会財政再建調査特別委員会で表明した。

 映画祭は街おこしを目的にスタート。市と市民らで組織する実行委員会の主催で、これまでに緒形拳さんや吉永小百合さん、大林宣彦さんら国内外の有名俳優や監督らが参加してきた。

 今年2月の17回目の運営費は約9900万円で、市が約6700万円を負担した。全額が国からの特別交付税だが、総額約632億円の負債を抱え、財政再建に向けた事業見直しの中で中止は不可避と判断した。

「文化観光省」を時限設置 民主報告案、新休暇制度も共同
 民主党で観光振興策を検討してきた「観光政策推進調査会」(座長・渡部恒三国対委員長)がまとめた報告書案が29日、明らかになった。
 国が総合的な観光戦略を立てる必要性を指摘しつつ、地方分権の進展に応じて地域が政策立案を主導する形に移行させるため「文化観光省」を10年間程度、時限的に設置することを明記。新たな休暇取得制度の創設も盛り込んだ。
 来夏の参院選で勝敗の鍵を握る改選1人区の「地方票」に照準を定めた地域活性化対策の一環で、8月2日の党「次の内閣」で正式決定する。
 政府が2010年までに外国人の訪日旅行者1000万人を目指す「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を展開しているのに対して、日本人の国内旅行者増に力点を置いているのが特徴。


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コメント

一切笑えませんね。
地方で「観光で身を立てている自治体」というのがありますが、別に自治体ががんばって観光が発展したわけではないケースが圧倒的に多いです。産業振興で最近私が注目している自治体では、役所ではなく、農協とか林業組合の主導で成功というケースばかりです。
役所はビジネスセンスなどありませんから、観光や産業振興に出張ると必ずといっていいほど失敗します。一時的に成功することはありますが・・・・。
そもそも役所に入る人はビジネスではなく、福祉とかそういうことを志向している人が多いですし。

ちなみに、夕張を含む多くの自治体のくだらないテーマパークの企画では、広告代理店の暗躍が言われています。役所の観光振興なんて広告代理店のお客様に過ぎないのです。

投稿: takeyan | 2006.07.30 17:37

まったくその通りですね。こうした事態が悪化するのは、役所の無能に加え、落ち込んでいるまちほど、議員や商工関係を中心に有力者が後押しして引き返すことができなくなってしまうんです。この朝霞地区4市でも、観光に力を入れている自治体ほど財政状況が悪いですよね。

自治体にアトラクションを整えていく力はあると思えませんから、やはり広告代理店やコンサルタントが暗躍して地域の世論を煽ったり、手数料稼ぎをしていたことは言うまでもないと思います。夕張市など財政悪化した自治体への処理への参加を強制させる方法はないのでしょうか。

投稿: 管理人 | 2006.07.30 20:43

直接的な責任を取らせるのは不可能ですが、本来的にマスコミが機能を果たす気概があるなら、くだらないテーマパーク等を提案し、いろいろと斡旋したコンサルの社名やコンサルタント名を暴くべきです。
まあ、マスコミでは無理でしょうが。
こういうことの具体的な事実を知りえた個人がネット発信をすることも必要かもしれませんね。ただ、私も二次情報や三次情報しかなく、さらに、情報源に迷惑をかけられないという制約があったり、さらには証拠がありません。

投稿: takeyan | 2006.07.31 01:33

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