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2006.06.05

6/5 93年政変の歴史解説はうんざり

竹中治堅「首相支配」中公新書を読む。ちっとも面白くない。93年政変以後の権力闘争をおさらいし続けるだけで題名の権力分析が全然されていない。新進党がピケを張ったから崩壊したとか、河野洋平は村山から政権をもらい損ねたとか、政治改革ごっこをドラマ風に話したがる政治少年のおしゃべりを超えない。「筆者を叱咤激励し、完成を待ち続けた中公新書(あとがきより)」は辛かっただろう。

首相の権限は少しずつ強くなっていることを政治学的に考えることは、重要なテーマだと思う。その原因の大きな理由は小選挙区制を中心にした選挙制度にあると思うが、それだけではない。透明性を重んじる市民社会への移行や、社会の中間組織の求心力の低下を背景にしながらも、さらに経済財政諮問会議に代表される首相の権限行使を支援するシステムが少しずつ整えられていることもある。そうしたメカニズムの解説は歴史解説の中で全く語られていない。そして、最後は郵政民営化は首相支配の成果だと歌い上げて歴史解説はおわる。これでは政治学じゃない。

●村上氏の「みなさんが私のことを嫌ったのは私が儲けすぎたからだ」と言ったが、それだけじゃないと思う。本業が何だかわからないような会社や、投機仲間ともいえる不動産業者の株をあれこれやってぼろ儲けしても、変な奴がいるなぁ、ぐらいにしか思わないが、鉄道会社や百貨店、TBSなど、必ずしも株主が育てたとは言い切れないような公益性の高い仕事に手を出したからだ。暴力団ヤクザと同じで、カタギに手を出したことが間違いだったと思う。
村上氏を育てたと、マスコミに追っかけ回されるオリックスCEOで規制改革会議の議長、宮内義彦が逃げ回る姿が笑える。規制改革会議と規制緩和業種の間のインサイダー・ブローカーそのものだ。

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