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2006.06.25

6/25 助産士会は未来ビジョンを示せるか

日本助産士会が全国でリレー開催している「どうする?日本のお産」プロジェクトの埼玉の集会が志木駅前のほっとプラザであって、出かけてくる。

産婦人科医が減っている中で、日本のお産の全体の構造を変えてみたい、というこのプロジェクトコンセプトは賛同できるし、過日も書いたがほ乳類としての本来的機能だから、すべてがすべて医療を必要としているものでもないだろう、というところに踏み込んでほしかった。そういう、提示するものが何も見えなかった。

午前中のディスカッションでは、ちょっと問題だなぁ、と思う運営だった。

こういうディスカッションは体験談の告白合戦みたいになるのは仕方がないにしても、それにしても、発言者が主催者である助産士の介助で出産した母親が大半だったのは気になった。それもみんな「お産エリート」みたいな発言。ダメ親が1人もいない。「産婦人科でフランス料理を出すなんて」。同感だけども、そういう言い方には何かひっかかる。

また、主催者とは別の、新座市内で開業している助産士が、「産婦人科不足の今だからこそ、医療中心のお産を生活に取り戻す好機ではないか、多くの人には自然に産む力があるのだ」というような発言をした。が、その直後、他の発言を求めた人を飛び越して、主要スタッフと見られる人に発言が当てられ、「私も会費を払った一会員です」という前置きをおいて、さきの助産士の発言を全否定していた。主催者側の人間が参加者の発言を否定することはまずいんじゃないだろうか。

また、「産婦人科医は誘ったけど誰も来れなかった」というような報告がされていたが、会場には産婦人科医が2人来ていたのに発言が振られることはなかった。
AERAの記者が発言をしていたが、今までのAERAのお産の記事、どうにかならなかったの?という感じ。こういう機会を捉えて勉強してください。

最後の方には、主催者である助産士が、また「一会員として会費を払っている私にも発言させてください。」と前置きして、「私は訴訟の危険もあるしリスクの多い仕事、やめたいんです」と言っていたのも気になった。クライアントの妊婦がこういう発言を聴いたらどんな気持ちになるだろうか。ますます立場が弱くなるだろう。医師にしても助産士にしても、支援者であって、精神的な借りを作らせるこどかいいことなのか疑問だ。

全国もこんな一方的な議論しているのだろうか心配になった。
今、病院のお産が崩壊している状況で、助産士会が自らの職としての影響力拡大とともに、理念にもとづく政策提言を国民に対してできなければ、助産士は再評価されることもない。医療業界の枠内だけの議論をすれば、わずかな助産士の地位改善にとどまり、今の構造のままだ。それでは一部の「意識のある母親」以外のお産は、大病院での機械のようなお産を選択せざるを得ない状況がますます進むだろう。
医療の必要なお産と、母体の力に頼るお産を再定義して、制度構築をしなければ次の時代のお産はしばらく真っ暗なままだと思う。

それでも2、3人の発言者が良かった。「ばりばり働いて、お産に入ると地域が全く見えなくて、孤独の中で独りでたたかった、これを何とかしたい」「出産の情報提供についてファッション雑誌に頑張ってもらえたら」、など母親の意見や、助産士教育をしている方の「むかしの産婆の仕事の守備範囲、やってきたことはすごいものがあります。そこにどこまでたどりつけるのかが教育者としての私たちの課題です」という発言があった。これらの率直な発言ををどこまで広げていけるのかが問われていると思う。

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