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2006.06.24

6/23 市議会議員の就職コスト考

合併で行われた秩父市議選で買収事件が起き、NHKのインタビューで容疑者が赤裸々にその内実を話したことから、関東ローカルでは比較的大きなニュースになっている。古典的な買収事件で、選挙になったからと有権者に現金を配ったらしい。「以前からやっていたように」と。
折しも、向いていないから、とあっさり政界を去った久野統一郎さんのルポ「代議士やめます」を読んでいるさなか。中選挙区時代、久野氏は、竹下派からもらったウン百万のお金を、もらったらすぐに支持者にそのまま配っていたという話とオーバーラップする。
中選挙区制時代の「千葉3区」「埼玉3区」「愛知2区」など、大都市圏に隣接する「いなか」地域は、こういう風習が最近まで残っている。

事件の話題になった秩父市は、34万3000円/月、ボーナスは4.4ヵ月で、公務員の平均年齢の年収ぐらいといったところか。その程度の報酬の仕事に就くために、毎日何人もの運動員に5000円払い、票のとりまとめする地域ボスに数十万円を渡したというのだから、常識では割に合わない。割に合わない仕事をなぜそんなに必死になってやろうとするのか、市議という肩書きを使ったサイドビジネスができるからだろう。

埼玉県内で議員報酬を下げようという市民運動もあるが、他の地域の自治体に比べれば、埼玉県内の市議の報酬は低い。政令指定都市のさいたま市が報酬と政務調査費で飛び抜けているぐらい。
他は、同規模の他県都市と比べてびっくりする位安い。朝霞市は月収37万。ボーナスは3.75ヵ月。年収では40歳の係長クラスの市の職員より低い。さらにここから国保料や国民年金保険料を払えば、手取り給料は30歳市職員と同じぐらいになる。40や50のおっさんが喜んでやる水準ではない。

議員の報酬を引き下げる市民運動が全国各地で花盛りだが、私はそれは違うと思っている。もちろん、高すぎる報酬もないわけではないが、県内は、朝霞みたいな報酬が大半だ。
かつてのように秘書も従業員も雇え、地方にできることはほとんどなく、まちの有力者が集まって議会をやっていた時代は、報酬は低くても、場合によっては無くても構わないと思う。
しかし、地方分権で市議会の考えるべきことが増えていく時代には、議員は副業ではできなくなると思う。また地方議員は、落選時の再就職も難しい。そのような中、低報酬では土地持ちか公明党か共産党しか市議は出てこない。それだけならいいが、40や50のおっさんがこの報酬で暮らしているとも思えない。市議という肩書きでサイドビジネスをやって、公共事業や、土地利用の変更などを伴う大規模な商業施設の建設など、さまざまな謝礼を受け取るようなことの温床になりかねない。

そんなことを考えさせられる事件だ。

もう1つ、議員の数を増やして報酬を下げる、という考えもある。それに一理あるが、私はその考えには無条件で賛成できない。個々の政策の決定過程に市民参加の手続きが増え、そこでは党派を超えた合意形成が進められている中で、あえて市民を党派間の政治的抗争システムを前提にした議会に参加させなくてはならないのか、そこに至る議論はもう少し熟成させていく必要がある。拘束性の高いサラリーマン住民の参加をどうするかも検討しなければならない課題だ。時期尚早だと思う。

2006年6月23日(金)埼玉新聞
秩父市議ら3人逮捕
公選法違反容疑 運動員に十数万円


 今年四月に行われた秩父市議選をめぐり、候補者らが支持者に現金を渡して票の取りまとめを依頼したとして、県警捜査二課と秩父署は二十二日、公選法違反(運動買収)の疑いで、秩父市荒川上田野、市議若林富雄容疑者(68)、出納責任者だった同所、建設会社役員千島浩容疑者(62)、富雄容疑者の長男で同所、飲食店経営若林茂男容疑者(44)を逮捕した。

 調べによると、若林容疑者らは四月十六日の市議選告示後から一週間にわたって、選挙事務所にしていた自宅兼飲食店で、運動員ら有権者十数人に、投票や票の取りまとめを依頼して、現金計十数万円を渡した疑い。

 若林富雄容疑者らは支持者の個別訪問やビラ配りに、日当として一人当たり一日五千円を渡していた。

 県警の調べに対して若林富雄容疑者らは「悪いという認識はあったが『これまでもそういう方式でやってきたので、今回もやりましょう』ということになった」と供述しているという。

 若林富雄容疑者は旧荒川村議を六期、村議会議長を二度務め、二〇〇五年四月の市町村合併で秩父市議となっていた。

「労務費で払った」
 四月に実施された秩父市議選は、旧秩父市、旧秩父郡荒川村など四市町村が合併して初めての議員選挙。定数三〇のところ、三十五人が立候補。旧荒川村からは若林容疑者を含めて五人の旧村議が出馬し、五千票ほどしかない旧村民の票を奪い合う展開となった。

 若林容疑者は逮捕前に埼玉新聞社の取材に対し、「(選挙の労務報酬の日当として)延べ百人に、一日五千円を払った。労務報酬は(人数)制限がないと聞いている。これまでの選挙と同じ流れでやってしまった」と話している。

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受信: 2006.06.27 14:18

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