6/18 需要と供給で価格が決定する理論の限界
車中で伊東光晴「現代に生きるケインズ」を読む。
中学生のときに、伊東光晴「ケインズ」(岩波新書)を読んで、猛烈な感動をしただけに、今回のは少しがっかりしている。ケインズ経済学がモラルサイエンスと位置づけている。確かにイギリスの教養主義の中ではそうした位置づけになるのだろうが、ケインズ経済学は、教養主義から導き出された、人を差別しないプラグマティズムにあると思ったので、そうした位置づけを強調したことがよいのかどうなのか。
頭が悪いのでかわからない議論があることはさておき、有効需要の創出のメカニズムを邪教の混入だというような扱いで否定し、ケインズ主義の護教のために世間で流通している認識を強引に変えるような話しにしている感じが否めない。粗暴な新古典派経済学に対抗し、ケインズ経済学の復権は必要だと思うが、現代の抵抗勢力批判をすりかえるような感じがした。
ただし、新古典派経済学の根幹をなす、市場が需要と供給の自動調整をするから価格決定するという理論がそもそも欠陥であるということを改めて認識させてくれたし、それには伊東氏が若い頃にやった価格決定の現場での調査が生きている。実際、需要と供給が価格決定してるいのは、株や野菜、インターネットオークションなど限定されている。また豊かな社会では、商品は非価格競争で取引される、だから広告業が繁栄すると言う。
ちゃんと理解できれば、小泉構造改革の間違いを検証する武器になりそうだ。
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