6/11 バス業界まで道路特定財源の固守を主張・がっかり
午前中、次世代計画のワーキンググループ。具体的な議論より、近況から感じた少子化の風景について各自が話す。朝霞周辺では産科が2院、店じまいする。残るは恵愛病院と、阿部産婦人科と、助産院しかなくなったという。
午後、地域福祉プロデューサー養成講座。大阪の桑原英文さんに、地域開発の企画の実習をする。資源をリスト化して構想をまとめていくやり方はいろいろな仕事で役に立ちそう。企画の社会的意義などを見つけだすのは得意だが、資源を上手に束ねていくことができていなかったのではないかと思う。
夜中、講師の桑原さんを囲んで飲む。地域福祉の学界についていろいろ議論。
●往復のバスの中で、「道路特定財源の一般財源化反対、目的外使用なら減税を」のステッカーが貼ってあった。石油業界とトラック業界にのせられてバス協会までが賛同している。愚かだ。
道路特定財源の一般財源化の議論は、バス業界にとってデメリットだろうか。
バス運行の環境を改善しようとすれば、需要にあわせて道路を造り続けるだけではなくて、需要そのもののコントロールが必要である。そのためには公共交通の充実も選択肢に入ってくる。しかし、今の道路特定財源制度はそうした需要側をコントロールする手段にお金を出す仕組みがない。需要に追随して道路をつくり続ける何も考えない施策だ。
もし、道路特定財源を減税したとすれば、ガソリンを使いまくっている人ほど得することになる。つまりエネルギー効率の良いバスよりも、エネルギー効率の悪いマイカー、とりわけ排気量の多いマイカーが得をするのが、減税論者の主張である。
90年代以降、マイカーが増えすぎたからバス業界は斜陽産業化したし、都市部では定時運行ができなくなっている。バス業界がマイカーを甘やかす政策に賛成することが理解できない。
中央政府の予算書だけを見れば道路建設財源はすべて道路に使われているように見える。しかし国の建設する道路の建設費の一定の割合は地方負担分になっていて、その地方負担分は、道路特定財源の支えがわずかに入ってるだけで、大半は一般財源から持ち出している。結果的に、国の道路特定財源で行われた道路建設事業によって、自治体財政が道路のための持ち出し支出を求められ、保育所や学童保育の整備が遅れてしまったり、必要な自治体職員が配置されなかったりするのだ。道路特定財源の「流用」反対と言っている人には、地方負担分も道路特定財源で賄ったらどうなるか、きちんと提示すべきだ。
さらに、多くの自治体は税収より一般財源の支出が多いため地方交付税を受け取っている。そのため一般財源から持ち出される道路建設費用は地方交付税会計から出されていることにもなる。中央政府だけを見ても、道路特定財源だけで道路が造られているということではない。石油業界やマイカー関連業界の自分たちのためだけのウソに幻惑されてはいけない。
バス業界としては、目先の軽油取引税の減税によるコストダウンに期待するより、少しでもマイカーから乗客を奪い返すことに視点をおいた行動(運賃に対する補助金の実現など)をとるべきではないか。したがって、バス業界は道路特定財源の一般財源化に賛成するか、鉄道やバスなど自動車交通の代替手段となるものに対しても利用可能な総合的な交通政策の財源にすることを主張した方が得策だと思う。
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