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2006.05.08

5/8 ニート・ひきこもり支援は中年の趣味

10年ぶりに旧友がやってきて会う。いろいろな話をしてよかった。
志木駅に着くと、駅の入り口に外国人の尺八吹きが地べたにすわりこんで演奏している。いつも客引きしているキャバクラのボーイは仕事にのれない様子で、迷惑そうな、困惑しているような顔をしていて笑えた。我慢していたのがエライ。

●「引きこもり支援」NPOが監禁致死で代表逮捕。
また愛知の民間教育施設だ。戸塚ヨットといい、長田百合子といい、このNPOといい、保護者と結託して、子どもの生命に危険を及ぼすようなことを「教育」の名目でやる。愛知には子どもへの暴力的教育を容認するような社会風土があるのだろうかと疑ってしまう。
家族が言うには、18時台のフジテレビのニュースでしばしば長田やこのNPOが不良や引きこもり少年を立ち直らせた「感動」レポートが流れる。今回、この事件でフジテレビはこのレポートで収録した映像を引っ張り出してきて、その画像の奥に鎖でつながれていた少年がいたことを指摘していたという。フジテレビはこのNPOが子ども虐待をしている映像を何の問題もなく放送していたことになるし、常日頃から「感動」レポートを流して、長田や杉浦の営利活動を支援していたのだ。
この事件を機に、引きこもり対策、ニート対策の質と必要性をきちんと検証すべきだろう。またその運営主体も、公務員が悪でNPOが善という決めつけなのか、こうした密室で人権侵害を平気でやるNPOに簡単に事業委託がされている。引きこもり対策やニート対策をやっている団体の半分ぐらいが、特訓・合宿を趣味とする社会から浮き上がった中年たちのための遊びと金儲けを兼ねた事業になっているのが実態ではないか。そんなものに税金を使われてはたまらない。

かつては読み書きそろばんという言葉があった。教育とは技術だときちんと認識し、人間の内面教育は高次な教育段階でやるものだということがわきまえられていたのだろう。
ところが、昭和初期の神国日本の教育以後今に至るまで、イデオロギーはあっちだったりこっちだったりしたが、教育者たちが読み書きそろばんを放り出して熱心になっているのは、子どもの眼だとか、生活態度とか、最近では人間力とか、コミュニケーション力などというような得体の知れない改造を子どもたちに施すことだ。
たかが教職課程で熱心に勉強していただけの人間には理解できるとは思えないものを一所懸命子どもに強要して、自分の脳の中で理想的だと思うような画像を作ろうとしている。その理屈や実用を超えた押しつけ教育観の延長に、戸塚ヨットや長田やこのNPOのような暴力的なものがはびこるのだろう。

引きこもり支援NPO代表ら7人逮捕 監禁・致死の疑い2006年05月08日13時32分朝日新聞
 引きこもりなどの若者の自立を支援するNPO法人「アイ・メンタルスクール」の名古屋市北区の寮で、入寮していた東京都世田谷区の男性(26)が死亡した事件で、愛知県警は8日、男性を自宅から無理に連れ出して不法に監禁、死亡させたとして、同法人代表理事の杉浦昌子容疑者(49)と職員、入寮者の男の計7人を逮捕監禁致死容疑で逮捕した。県警は今後、同法人による寮の運営や入寮者の処遇の実態解明を進める。

 逮捕されたのは杉浦代表理事のほか、職員で代表理事の次男の杉浦幸隆(24)、栗林聡(28)、杉島健太郎(27)、吉田拓哉(28)の各容疑者と、入寮者のアルバイト店員高山英士容疑者(26)と定時制高校生の少年(16)。杉浦代表理事は事実は認めた上で犯意を否定。幸隆、高山両容疑者は容疑を否認し、他の4容疑者は認めているという。

 捜査1課と北署の調べでは、杉浦代表理事らは共謀し、4月14日午前5時ごろ、東京都世田谷区の男性の自宅マンションから男性を無理に連れ出し、手錠で両手足を拘束するなどしてワゴン車に押し込め、床にうつぶせにし、背中を押さえつけるなどして、名古屋市北区芳野3丁目の寮まで移動。その後、寮内で男性の体を柱に鎖で縛り付けるなどして不当に拘束し、その結果として、18日、外傷性ショックで死亡させた疑い。

 男性は病院に運ばれた際、手足などに多数の擦り傷や打撲の跡があった。県警は、手錠や鎖で拘束され続けたことで傷を負い、筋肉も圧迫されて体内に毒素が回り、内臓の機能不全を起こして死亡に至った疑いが強いとみている。男性の親が入寮を依頼していたが、拘束や監禁については知らなかったという。

 吉田容疑者を除く6人は車で男性の自宅マンションを訪問。男性の連れ出しに直接かかわったとされる。また栗林、杉島、吉田の3容疑者は、寮内で監禁されていた男性について、夜間の見張りを代わる代わる担当していたとされる。

 杉浦代表理事は4月下旬、朝日新聞の取材に、男性に手錠や鎖を使用したことを認め、行き過ぎた拘束があったとの認識を示した。連れ出しの際や寮に来てからも男性が激しく暴れたための使用だったとも主張していた。

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コメント

この2人のことを私の親しい専門家がビデオに収録して海外の学会に来た専門家に見せたら「クレイジー」「治療でもなんでもない」「虐待」「素人」などという反応だったようです。
なにより、長田さんは特にそうなのですが、なぜ引きこもりの人の過去に興味を持たず、過去を捨てさせようとするのかが不可解です。
過去があるから異常な現在があるのに。

投稿: takeyan | 2006.05.09 00:50

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