« 5/2 職員数20%削減の自治体 | トップページ | 5/5 専業主婦が1500万円!? »

2006.05.03

5/3 公益企業は誰のものか

阪神電鉄の株を村上氏がほぼ半数抑えたことで、役員の半分をよこせと恫喝されている。

阪神電鉄は、この間の不況下でも民営化後スピード勝負でやってきたJRとの対抗上、電車の本数も増やしたり、神戸からは行きにくい大阪のミナミに直通する新線を建設する計画を打ち出すなど、施設は古くても、乗客サービスをあげてきた。しかも沿線はほぼ開発を終えた成熟市場のもとで。私は東京のとにかく詰め込んで運べというメッセージしか感じない通勤電車に対比して、阪神電鉄は公益企業としての使命をよく果たしてきたと感じている。

ところが村上が目をひんむいて乗り出してきて、株主の利益優先主義をおしつけてきている。阪神電鉄のおかれた状況からいって、梅田の土地の間接的な投機狙いであることは間違いないだろうし、経営体質の改善ということになれば、すでに成熟市場に走っている電車で、売上高も思うように伸ばせないだろうから、経費削減しか考えられない。となれば、無駄に電車を走らせるな、バスを整理しろ、と公益企業としての責任やサービスの切り落としになりかねないと思う。

こうしたみんなのためにある公益企業が、特定の株主のために翻弄されている。村上氏もおそらくその取得した株式のうち大半は自腹ではなく、どこかから資金調達したか、あるいは誰かが買ってくれた株を借りているのだろう。何かおかしいし、こうした電鉄会社はいったい誰のためにあるのか、ということを考えると悲しくなってくるような話だ。公益企業を対象にしたこうした投機には一定の社会的規制が必要ではないかと思うし、一歩間違えると公益企業はすべて国営でなければならない、という議論をひきおこしかねないと思う。

村上氏には、すでに取得時の株式価格の倍程度になっている株を放出しキャピタルゲインをほどほどに取って、早々にお引取りをお願いしたいと思う。

|

« 5/2 職員数20%削減の自治体 | トップページ | 5/5 専業主婦が1500万円!? »

コメント

勉強不足で金融や投資の話は疎いのですが、いくら梅田の土地があるからといっても阪神にあれだけの資金量を投入するのはいかがなものなんでしょうか。ある意味塩漬けになってるわけですし、もっと効率の良い投資の仕方もあるような気がします。素人考えですけどね。それにしても結局、また会社は誰のものかという話に行き着くのかなという気がします。確かに法理論から言えば会社の所有者は株主なわけですが、実際はそうではない特に公益企業ならなおさらで、株主利益の最大化は結構ですが、ステイクホルダーである利用者、地域社会への利益還元なくして交通事業は成り立たないのではないでしょうか。バランスシートだけを見る経営なら世の中は銀行マンがいればすべて事足りるのでしょうけど。ただ阪神の経営陣にまったく問題がないかというとそうではないと思いますし、阪神・阪急がこれをきっかけに良い意味で利用者、地域社会を向いた経営ビジョンを提示してくれればなと思います。またそれが世論の支持を得て交渉を有利に進めることにもなるのではないでしょうか。

投稿: wacky | 2006.05.04 23:59

鉄道や航空などの重厚長大の公益企業の膨大な設備投資は、開業時は株主でも、大手民鉄になるまでの間は、政府や主力銀行の後押しで長期信用銀行などの長期借入金でまかない、利用者の運賃から返済されることを繰り返してかたちづくられています。そういう経緯から、株主が必要以上に威張ることはそういう経緯を無視していると思います。
時価会計やキャッシュフロー会計の重視により、ほかの私鉄が現金重視になり、設備投資をしなくなってきました。結果として、少ない設備にたくさんの電車を走らせたり、そもそも運転本数を少なめにしたり、声を出せないところに問題をおしつけてきたような感じがしています。利用者サービスについては良くした企業が設備投資や人件費が膨らみ、今の運賃制度のもとでは電鉄会社にとって株主価値を下げてしまうという現実があります。
沿線住民は阪神タイガースという、ローカルナショナリズムを刺激されて、阪神電鉄の援軍ですが、現行商法の中で村上氏に対する影響力はほとんどゼロではないでしょうか。むしろ公益企業である阪急電鉄の手足を縛るような感じがしてなりません。
電鉄会社が株主価値をあげるのは本業ではほとんど不可能で、株主価値の変数は沿線の地価と関連会社の経営状況です。
そういう中、阪神は時代に逆行して、電車を増やしたり、設備投資をやろうとしていたことで、このことの評価があるかと思います。
一方、阪神は投機家に狙われやすい状況(本業の企業価値が少なく自他ともに評価が低い、土地資産に含み益がある、現金資産が少ない)などの条件がそろっており、警戒感が少なかったのかなと思います。
差別になるかも知れませんが、村上氏が公益企業の将来をあれこれするのを見ると、あんなのが、という言葉がつい出てしまいます。ホリエモンみたいな弱点はないのでしょうか。

投稿: 管理人 | 2006.05.05 06:33

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/44442/9887550

この記事へのトラックバック一覧です: 5/3 公益企業は誰のものか:

« 5/2 職員数20%削減の自治体 | トップページ | 5/5 専業主婦が1500万円!? »