5/30 新設の朝霞市・仲町保育園は公設民営方式へ
22日、保育園運営審議会が開かれ、2007年5月から開設される仲町保育園の運営方式は公設民営方式とすること、業者決定方式は宮戸保育園で行なわれたプロポーザル方式による入札とすることが決定した。
公設民営方式とは、看板が朝霞市立●●保育所となっているが、保育スタッフや行なわれる保育内容は民間というもの。公有財産を利用して民間事業者が事業を行なえる、民間にとっても単独の民間保育所として運営するよりも自治体から多くの支援を得られるというメリットがある。一方で、運営責任やカリキュラム編成などの責任があいまいになりがちで、市役所のチェック能力や地域や保護者による運営参加ができていない場合は、問題がおきても苦情を言う対象する明確にならない。
実際、朝霞市で公設民営で開かれた宮戸保育園では、株式会社に委託されたが、保育士の相次ぐ退職、欠員、保育内容の貧弱化など多くの問題が発生し、2004年12月と2005年3月の市議会でも問題になった。このときの市役所の答弁は何ら具体性のある答弁がされてはいなかったし、私も、次世代育成支援計画推進委員会でこの問題について質問したが、行政はしかるべき監査をやっているのでうまくいっている、という答弁しか返ってこない。
しっかり宮戸保育園について明確に検証報告もされず、特に全国でも稀な株式会社への運営委託ということの評価もされず、保育所を民間委託するにあたっての基準なども作られないまま、再び同じやり方で民間委託を繰り返そうとしている。プロポーザル方式の質の検討に、どういう条件で、どのような人が行なうのかまったく示されていない。いったい、業者たちとどんな関係があるのか。
さらに決定過程も問題がある。保育園にかかわるさまざまなステークホルダーと検討した痕跡が見られない。当事者である保護者や、子育ての質を高める議論をしている次世代育成行動計画推進委員会などに何の話も来ていない。
この審議会、審議時間は17分しかない。おそらく市役所が議案を説明して、何の質疑もなく承認されたのだろう。審議会の委員は日当が1万円以上も出ることになっているが、子どもたちの生活の場を誰に預けるか、その枠組みを考える場がそんな審議でよいのだろうか。市役所というブラックボックスの中でなんら妥当性も検証されずに政策決定がされている。そうして我々の税金が不透明な使われ方をしている。本来は市役所がそうならないよう締める役割が保育園運営審議会にあるのに、市役所を追認しているだけで責任感が見られない。
民間委託の質をどう保障し、ルールを設定し、みんなの評価が可能なように運営する、ということがない状態では子どもたちがどんな目にあっても防ぐことができない。問題だと思う。
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